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SPan-1抗原(s-pancreas-1 antigen)は、鄭ら(1987)が培養膵
癌細胞株SW1990を免疫原として作製したモノクローナル抗体により
認識される腫瘍関連抗原です。
そのエピトープは巨大分子ムチン様糖蛋白上にあり、抗原性がノイ
ラミニダーゼ処理によって消失すること、熱やプロテアーゼ処理に
よっても保持されていることから、非還元末端にシアル酸を有する
糖鎖と考えられています。いくつかの報告ではCA19-9と同じくsialosyl
Leaをエピトープとする可能性が高い。
免疫組織化学的には、主に膵癌をはじめとする消化器癌に膜構成成
分として本抗原が存在することが認められ、その強い分泌性から血
中にも高率に出現します。SPan-1抗原の良性疾患による偽陽性率
は極めて低く(正常膵,腎尿細管,胆管上皮,気管上皮にもわずかに
存在する)、さらに膵癌との鑑別に困難を伴う急性膵炎の偽陽性例
も多くは軽度上昇に留まることから、より特異性の高い癌の診断、
および術後・治療後の経過観察に有用な指標とされています。
検査材料:血清
基準値:単位(U/ml)30以下
測定方法:IRMA(ビーズ固相法)
高値を示す病態
膵癌、肝細胞癌、胆道癌、肝内胆管癌、大腸癌、慢性膵炎
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