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前立腺癌の代表的な血清学的マーカーとして知られる前立腺特異抗原(PSA)は、機能的にkinin-kallikrein familyに属するプロテアーゼであることが明らかになっています。血中のPSAは、その6〜9割がプロテアーゼインヒビターであるα1-アンチキモトリプシン
(ACT)と、また一部はα2-マクログロブリンと結合して複合体を形成し(複合型PSA)、残り(5〜40%程度)が非結合の遊離型PSAの形で存在しています。
このうちα2-マクログロブリンとの複合体は、PSAのエピトープを完全に被覆した構造により免疫学的に検出困難であることから、従来測定されてきたPSA値はACTとの複合体(PSA-ACT)と遊離型PSAの総和を意味すると考えられています。
近年、前立腺癌患者で総PSAに対する遊離型の存在比が前立腺肥大症患者よりも低い傾向にあることが報告されています。これを応用してPSA軽度高値(4.1〜10ng/ml)患者群におけるPSA-ACTの選択的測定や遊離PSA/総PSA(F/T比)の算出が、前立腺癌と肥大症の鑑別指標として注目されるようになりました。すなわち、前立腺癌ではACTとの結合型(PSA-ACT)が肥大症より増加を示します(詳細はPSA F/T比を参照)。
なお、PSA-ACTの基準値は、前立腺癌と肥大症との鑑別のためのCut-off値として設定されたものであり、健常者の上限基準値とは異なります。健常男性の95パーセンタイル(基準範囲の上限値)は1.1ng/mlとされています。
検査材料:血清
基準値:単位 (ng/ml)1.1以下
測定方法:EIA
高値を示す病態 前立腺癌
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