遊離型PSA

前立腺特異抗原(PSA)と同時に測定し、その比をとることで前立腺肥大症と前立腺癌の正診率を向上できる新しい指標。

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遊離型PSA

前立腺癌の代表的な血清マーカーとして知られる前立腺特異抗原
(PSA)は、機能的にkinin-kallikrein familyに属するプロテアー
ゼであることが明らかになっています。血中でPSAは、多くがプロ
テアーゼインヒビターであるα1-アンチキモトリプシン(ACT)、
また一部はα2-マクログロブリンと結合して複合体を形成し(複合
型PSA)、さらに残り(5〜40%程度)が非結合の遊離型PSAの形で
存在しています。

このうちα2-マクログロブリンとの複合体は、PSAのエピトープを
完全に被覆した構造により免疫学的に検出困難であることから、従
来測定されてきたPSA値はACTとの複合体(PSA-ACT)と遊離型PSAの
総和を意味すると考えられています。
従来から存在する前立腺癌マーカーのγ-セミノプロテイン(γ-Sm)
は、遊離型PSAとほぼ同じ物質に相当すると考えられています。

近年、前立腺癌患者で総PSAに対する遊離型の存在比が前立腺肥大
症患者に比して低い傾向にあることが報告されており、PSA軽度高
値(4.1〜10ng/ml)患者群におけるPSA-ACTの選択的測定や遊離
PSA/総PSA(F/T比)の算出が前立腺癌と肥大症の鑑別指標として
注目されています。

検査材料:血清
測定方法:CLEIA

高値を示す病態
 前立腺癌、前立腺肥大症、その他の泌尿器系悪性腫瘍
 (単独で測定するよりもPSAとの併用の方が有意義)

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主な測定法の概説A〜D | PSA-ACT

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