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消化管で出血があっても、量が少ないと肉眼ではわかりません。
便中ヘモグロビン検査 はヒトヘモグロビンを特異的に検出する免疫学的便潜血検査で、食事による影響を受けにくい長所をもっています。免疫法は人間の血液の成分にのみ反応するため、ラテックス凝集法でスクリーニング検査として広く使用されています。
免疫法は、一般に潜血反応で用いられるテトラメチルベンジジン法やグアヤック法などの化学法に比して感度・特異度ともに良好で、食物中の血液、鉄分等との交差反応はほとんどないため、化学法で必要であった検査前の食事制限(肉類の禁止)が必要ないとされています。しかし食道や胃などの上部消化管の出血では、胃液により消化されヘモグロビンの抗原性が失われる場合もあり得るため、胃などでの出血は多量でないと検出されません。
便潜血が陽性であれば下部消化管出血を考えて、大腸内視鏡検査を行います。大腸に出血源のない場合には上部消化管からの出血も視野にいれます。ただし、痔疾による出血があれば当然、陽性になるため便潜血での大腸スクリーニングは困難となります。
また、検体の保存状態が不良の場合は抗原性が失われ、偽陰性を呈することもあります。必ず専用容器に保存し、2日以内に提出することが望ましいとされています。
検査材料:便
測定方法:ラテックス凝集法
基準値:(−)
陽性を示す病態
消化管出血:大腸癌、潰瘍性大腸炎、クローン病、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道癌、急性胃病変、憩室炎、腸結核などの消化管感染症、消化管寄生虫症、痔疾 など
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