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膵臓癌血漿プロファイリング検査は、プロテオーム解析により膵臓癌存在リスクを算出します。血漿中のタンパク質をMALDI-TOF-MSにより網羅的に質量分析し、そのデータから膵臓癌の存在リスクを独自のアルゴリズムを用いて解析する新しい研究検査です。
日本人の膵臓癌患者80症例および健常人80症例の解析から構築され、膵臓癌の存在リスクを0〜100の判定スコアで表わします。
この検査では特異度90%を判定スコア50に設定しており、その際の感度が76%とされています。
下図はOncomics社による本検査の判定スコア分布図です。
膵臓癌存在リスクの予測においては、判定スコア50以上がひとつの目安となります。
膵臓癌の早期発見や、自己免疫性膵炎との鑑別などを目的とした研究に利用されています。
検査材料:血漿(EDTA-2Na)
測定方法:MALDI-TOF-MS
・プロテオーム解析(Proteomic analysis)とは、特に構造と機能を対象としたタンパク質の大規模な研究のことです。ゲノムがある生物の持つ全ての遺伝子のセットを表すのに対して、プロテオームはある生物が持つ全てのタンパク質のセット、またはある細胞がある瞬間に発現している全てのタンパク質のセットを意味します。
・MALDI-TOF-MSは、レーザー光を吸収するマトリックスと分析物の混合物にレーザー照射し、 タンパク質を分解させずにイオン化する方法(MALDI)と、生成されたイオンの質量電荷比により イオンの飛行時間が異なることを利用して質量分析を行う方法(TOF-MS)を組み合わせた方法です。
MALDI:Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization マトリックス支援レーザー脱離イオン化
TOF-MS:Time-of-Flight Mass Spectrometry 飛行時間型質量分析法
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