エラスターゼ1

膵癌で比較的早期から上昇する血中腫瘍マーカーだが、膵炎でも上昇をみる。

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エラスターゼ1

エラスターゼにはエラスターゼ1と2があり、前者は血中でα1ア
ンチトリプシンと90%が結合した遊離型と結合型を測定しています。
エラスターゼは白血球・血小板・脾などにも存在し、急性炎症など
の情報となる顆粒球エラスターゼとは、免疫学的に区別されます。

エラスターゼ1は、主として膵に存在する蛋白分解酵素の一つです。
膵の病変によって血中へ逸脱し高値を呈することから、各種膵疾患
の優れた指標として臨床応用されています。

膵癌においては、腫瘤による膵管閉塞に基づく随伴性膵炎を反映し
て異常高値を示します。特に切除術可能な比較的早期の症例に
1,000ng/dlを超える異常高値がしばしば認められ、組織破壊の著し
い進行癌では正常値ないし低値を示す傾向にあります。

こうした知見は、エラスターゼ1が膵癌の早期発見に有用なマーカ
ーであることを意味すると考えられます。また、一般にエラスター
ゼ1の高値は膵尾部癌に比べて頭部癌により多いとされています。

一方、急性膵炎においてはアミラーゼと同上に高値をとる。

検査材料:血清
基準値:単位(ng/dl)300以下
測定方法:LA(ラテックス凝集比濁法)

高値を示す病態
 膵癌、急性膵炎、慢性膵炎、腎不全

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