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PIVKA-U(protein induced by vitamin K absence-U)は、血液
凝固第U因子であるプロトロンビンの肝における生合成不全に由来
する異常蛋白です。
プロトロンビン合成の最終段階は、前駆体N末端近傍グルタミン酸
残基のビタミンK依存的なカルボキシル化反応によるGla(γ-carboxy
glutamic acid residue)への転換です。この反応過程の失調また
は欠落に基づく「異常プロトロンビン」は、凝固活性を欠いた蛋白
として血中に放出されます。
新生児メレナをはじめとするビタミンK欠乏性出血症の診断にこれ
が有用な指標となることは以前から知られていましたが、1984年に
Liebmanが肝細胞癌患者血中にPIVKA-Uの高率かつ著明な増加を報
告したことを契機に、α-フェトプロテイン(AFP)とは相関性のな
い全く新たな肝細胞癌の特異的マーカーとしての臨床的意義が確認
されています。
また検査法により血液凝固異常にのみ適用されるものがあるので検
査法の選択には注意を要します。腫瘍マーカーとしてのPIVKA-Uに
はECLIA法、凝固異常の指標にはLA(ラテックス凝集比濁法)を用
います。
検査材料:血清、クエン酸血漿も検査可。
基準値:単位(mAU/ml)40未満
測定方法:ECLIA
高値を示す病態
肝細胞癌、慢性肝炎、肝硬変、肝内胆汁鬱滞、ビタミンK欠乏性
出血症、吸収不全症候群、ワーファリン投与時
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