癌胎児性抗原(CEA)

消化管の悪性腫瘍を中心に、もっとも汎用的に用いられる血中腫瘍マーカー。

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癌胎児性抗原(CEA)

癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen :CEA)は、1965年に
Goldらにより結腸癌と胎児結腸粘膜組織に共通して存在する抗原
物質として発見された糖蛋白であり、今日もっともよく用いられてい
る腫瘍マーカーの一つです。

・測定の有用性
1)他の検査法と組み合わすことにより、癌疾患のスクリーニング
 の補助的診断ができる。
2)癌疾患の経過観察ならびに治療効果の判定
 ・根治手術が行われた場合には、術後CEA値は明確に低下する。
 ・臨床所見によって発見できる1〜2ヶ月前にCEA値の上昇を見て
  再発を予測出来た例もある。
3)転移性肝癌の診断:AFPと組み合わせることにより、AFPが高値
 の場合原発性肝癌、CEAが高値の場合、転移性肝癌が推測される。

大腸癌をはじめとする消化器癌、膵癌、肺癌などのさまざまな臓器
由来の癌に幅広く出現するため、その診断補助および術後・治療後
の経過観察の指標として有用性が認められています。また、大腸癌
や胃癌における術前CEA高値例では有意に再発率が高いとされ、予
後の予測にも有用とされます。

なお、CEAについては、近年遺伝子クローニングの成功によってそ
の一次構造が解明され、免疫グロブリン・スーパーファミリーに属
することが明らかになりました。さらに、CEAが細胞接着分子とし
ての機能を有することや癌細胞の転移に促進的に働くことが報告さ
れています。

今日、CEAを胎児性蛋白の範疇に留めることは困難になっており、
その癌特異性の由来について新たな観点が求められつつあります。
なお、高齢者や喫煙者では若干高値をとる傾向がみられます。

検査材料:血清
基準値:単位(ng/ml)5.0以下
測定方法:CLIA

高値を示す病態
 大腸癌、胃癌、肺癌、転移性肝癌、胆道癌、食道癌、乳癌、
 子宮癌、慢性肝炎、肝硬変、閉塞性黄疸、胆石症、消化管潰瘍

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