スポンサードリンク
ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)とは、骨・関節・筋肉・末梢神経などの運動器の障害により、要介護となる危険性の高い状態を指します。高齢者に多い関節や脊椎の障害は1人の患者に連鎖して発症することが多く、一つ一つの独立した疾患としてではなく、運動器の幅広い障害として包括してとらえる疾患概念です。
ロコモティブシンドローム の代表的な疾患は 骨粗しょう症 変形性膝関節症 腰部脊柱管狭窄症 です。
検査法は画像による評価法が主ですが、骨粗しょう症に対する骨代謝マーカーなどの血液検査も重要です。
1)骨粗しょう症
骨強度の低下により骨折しやすくなった状態であり、骨強度は骨量と骨質によって規定されるという考えが骨粗しょう症の概念です。
<画像診断>
・単純X線(脊椎、大腿骨頸部、橈骨遠位端などの骨折、骨萎縮などの所見)
・骨密度測定(二重エネルギーX線吸収測定、定量的超音波測定)
<骨代謝マーカー>
・骨形成マーカー
オステオカルシン(OC)、アルカリフォスファターゼ(ALP)、骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)、I型プロコラーゲンNプロペプチド(P1NP)、I型プロコラーゲンCプロペプチド(P1CP)
・骨吸収マーカー
ピリジノリン(PYD)、ヒドロキシプロリン(Hyp)、デオキシピリジノリン(DPD)、I型コラーゲン架橋Nテロペプチド(NTX)、I型コラーゲン架橋Cテロペプチド(CTX)、I型コラーゲンCテロペプチド(1CTP)、酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(TRAP)、酸性フォスファターゼ(ACP)
2)変形性膝関節炎
関節軟骨が加齢を基盤として変性・破壊され機能を失うことにより発症する疾患です。初期は運動時痛のみですが、進行すれば安静時や夜間にも痛みがおこります。
<画像診断>
・単純X線
関節裂隙の狭小化、骨棘(骨・軟骨の増殖反応)、骨硬化
・MRI
軟骨変性
<関節液検査>
偏光顕微鏡(偽痛風におけるピロリン酸Ca結晶)
<関節マーカー>
・軟骨マーカー
II型コラーゲン架橋Cテロペプチド(CTX-II)、II型プロコラーゲンCプロペプチド(PIICP)
・滑膜炎マーカー
ヒアルロン酸(HA)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)
3)腰部脊柱管狭窄症
加齢に伴い、脊柱管を構成する椎間板や黄色靭帯などの変性により馬尾神経や神経根が圧迫されることにより、下肢の痛み・しびれ・脱力をきたす疾患です。下肢の症状は特徴的で、歩行により憎悪し、しばらく休憩すると改善し歩行可能となりますが、歩行を再開すると同様の症状が出現するので間欠性跛行とよばれます。
<画像診断>
単純X線、MRI(神経や椎間板組織を描出)
現在の自分の移動能力を確認するためのテスト、将来ロコモティブシンドロームになる可能性を調べる「ロコモ度テスト」はこちらから
▽ロコモティブシンドローム 検査法 のキーワード
▽次の記事、前の記事
スポンサードリンク
当サイトのRSS
サイトについて
注意事項新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP