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骨粗しょう症とは、「骨量が減少し、骨の微細構造の劣化により骨密度が減少し、骨折のリスクが増加した全身性の疾患」と定義されています。
原発性骨粗しょう症と続発性骨粗しょう症に分類され、原発性骨粗しょう症に属する退行期骨粗しょう症は、全体の90%を占め、閉経後骨粗しょう症と老人性骨粗しょう症に分類されます。閉経後骨粗しょう症は、発病して15年から20年を経過して老人性骨粗し
ょう症に移行していきます。
・原因
骨の組織は生涯を通じてつねに形成と吸収(破壊)を繰り返しており、骨吸収が終わった場所では吸収された骨量を補うための骨形成がはじまり、骨の元になる類骨が形成され、しだいに骨に置き換わっていきます。この課程(骨代謝)は骨粗しょう症でも同じですが、骨吸収が骨形成を上回るために骨の絶対量が減少していきます。
カルシウム不足や血中のビタミンDの減少により、腸管からのカルシウムの吸収が低下すると、血中のカルシウムを正常に保つ働きを持つ副甲状腺ホルモンの分泌が増え、カルシウム不足を骨組織から補充することで、バランスを回復することになり、結局、骨の絶対
量が減少することになります。
女性では閉経に伴うエストロゲンの低下により、骨吸収を抑制する働きを持つカルシトニン分泌低下と腎臓での活性化ビタミンDの合成が減少するため、急激な骨密度の低下が認められるようになります。
・症状
腰や背中の痛みと重圧感、疲れやすさを訴え、わずかな外力でも簡単に脊椎の圧迫骨折をおこします。この場合強い痛みをともない、脊柱後彎(猫背)となり身長が低くなります。四肢の骨では、型関節・手関節・大腿骨頸部の骨折を生じやすい。
・予防
骨の絶対量は20歳以降徐々に減少し、とくに女性では男性に比べ50歳以降急速に減少します。バランスの良い食事を心がけ、カルシウムの摂取量を増やす。適度の運動、禁煙、アルコールの多飲を慎むなど、若いころから骨の絶対量を多くすることを心がければ、予防はある程度可能です。
・診断のための検査
骨代謝マーカーの測定
1型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTx)
デオキシピリジノリン(deoxypyridinoline:DPD)
骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)
βクロスラプス(βCTx)
骨塩定量(DIP)
1α,25-(OH)2ビタミンD
・低骨量を呈する疾患
1)原発性骨粗しょう症
a)退行期骨粗しょう症
閉経後骨粗しょう症
老人性骨粗しょう症
b)特発性骨粗しょう症(妊娠後骨粗しょう症など)
2)続発性骨粗しょう症
a)内分泌性
甲状腺機能亢進症
性腺機能不全
Cushing症候群
b)栄養性
壊血病
その他(蛋白質欠損、ビタミンAまたはD過剰)
C)薬物
コルチコステロイド
メトトレキセート(MTX)
ヘパリン
d)不動性
全身性(臥床安静、対麻痺、宇宙飛行)
局所性(骨折後など)
e)先天性
骨形成不全症
Marfan症候群など
f)その他
関節リウマチ
糖尿病
肝疾患など
3)その他の疾患
各種の骨軟化症
原発性、続発性副甲状腺機能亢進症
悪性腫瘍の骨転移
多発性骨髄腫
脊椎血管腫
脊椎カリエス
化膿性脊椎炎 など
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