プロゲステロン 妊娠に深く関わる性ホルモン

卵巣と胎盤から分泌され、黄体機能や妊娠に深く関わる性ホルモン。月経の周期異常、不妊症の診断に有用。

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プロゲステロン 妊娠に深く関わる性ホルモン

プロゲステロンは一般に黄体ホルモンと呼ばれ、プレグネノロンから生成されるステロイドホルモンです。女性では卵巣と胎盤から分泌され黄体機能や妊娠に深く関っており、その90%程度が結合蛋白と結合しています。副腎・精巣・卵巣でそれぞれコルチコイド・アンドロゲン・エストロゲンに転換され、代謝されるほか、肝でプレグナンジオールに還元され、主にグルクロン酸抱合体あるいは硫酸塩として尿中に排泄されます。
プロゲステロンは子宮内膜と子宮筋に作用し、妊娠の維持を行うホルモンで、同種の合成黄体ホルモン剤が経口避妊薬として用いられています。

非妊婦では血中濃度の日内変動はわずかで、卵胞成熟期までの値は低く、この時期のプロジェステロンは副腎由来と考えられます。黄体期では月経黄体より分泌されて7日目ごろピークに達します。すなわち排卵期にLH、FSHに2〜3日遅れて増加しはじめ、7〜9日でピークに達したのち次第に下降します。妊娠すると8週未満は妊娠黄体より、10週以降は胎盤より主に分泌されます。この間の血中プロゲステロン濃度は9週目ごろに小さな谷を形成し、10週目から再び上昇を続け39週目ごろにピークに達します。

無排卵性無月経では、LH、FSHと共に低値でフラットですが、無排卵性不規則月経ではLHとともに不規則に変動した後、大きなLHのピークを迎えた後に次の月経が始まる場合が多いようです。また男性では非常に微量にしか存在せず、大きな意義はないと考えられています。

検査材料:血清
測定方法:RIA(チューブ固相法)
基準値:単位(ng/ml)
男性 0.7以下
女性
卵胞期 1.7以下
排卵期 4.9以下
黄体期 0.2〜31.6
妊娠前期(1〜16週) 4.2〜39.2
妊娠中期(17〜28週) 19.6〜143
妊娠後期(29〜40週) 34.5〜390
閉経後 1.0以下

・高値を示す病態
妊娠、黄体期、副腎癌、先天性副腎過形成、クッシング症候群、男性化副腎腫瘍
・低値を示す病態
無月経、排卵異常、卵巣機能低下症、黄体機能不全、胎盤機能不全、アジソン病

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