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卵胞刺激ホルモン(FSH)は、黄体形成ホルモン(LH)と共に下垂
体前葉から分泌されるゴナドトロピンで、標的臓器である卵巣や精
巣など性腺を刺激する作用をもちます。FSH、LHは視床下部から分
泌されるLH-RHにより刺激され、さらに性ホルモンによるフィード
バックで分泌が調節されています。
FSHが低値となる疾患はほとんどが下垂体異常によるもので、通常
はLHの低下を伴います。逆にゴナドトロピン高値になる病態には卵
巣性無月経などの性腺機能低下症が挙げられます。これは視床下部
下垂体系へのネガティブ・フィードバックが弱まるために起こるも
ので、閉経後ゴナドトロピンが高値になるのも同じ機序です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCO)ではLHのみ上昇し、FSHは正常であるた
めLH/FSH比は通常より上昇し1以上になることが多い。
視床下部−下垂体系の異常部位診断にはLH-RHテストを行います。
すなわち、LH-RHを負荷して下垂体ゴナドトロピンの分泌を刺激す
る試験ですが、LHの方がFSHより変動幅が大きいため、より良好な
下垂体の反応性の指標となります。正常では投与後にLHが一定レベ
ルまで上昇します。
なお、女性ではLH、FSHとも性周期により大きく変動するため採血
時期に留意が必要です。
・検査材料:血清
・基準値:単位(mIU/ml)
男性:2.00〜8.30
女性:卵胞期 3.01〜14.72
排卵期 3.21〜16.60
黄体期 1.47〜8.49
閉経後 157.79以下
・測定方法:CLIA
高値を示す病態
卵巣、または精巣機能低下症(Turner症候群、Klinefelter症候
群、睾丸女性化症候群など)
低値を示す病態
下垂体機能低下症、視床下部機能低下症、神経性食欲異常症、
Sheehan症候群、Simmonds症候群
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