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エストリオール は水酸基を3個もつ エストロゲン(女性ホルモンの一種)です。主要なエストロゲン、E1、E2、E3のなかで最も多量に尿中に排泄されるE1、E2の代謝産物であり、他のエストロゲンと比べ卵巣での産生は少ない。妊婦でよく測定され、妊娠が進むにつれて最も顕著に増加し妊娠後期では総エストロゲンの約90%を占めます。
E3 は前駆物質が胎児副腎で産生され、胎盤で芳香族化されて合成されるため、胎児胎盤機能検査として特に尿中での測定が有用です。
ただし、胎児が健全に発育していても胎盤酵素欠損症がある場合は尿中E3値は低値を示します。またRh式血液型不適合妊娠や糖尿病合併症例で胎児予後が悪い場合でも低値を示さない場合があるので注意を要します。
E3と異なりヒト胎盤性ラクトジェン(HPL)は胎盤自体の状態のマーカーであり胎児の関与が少ないことと、E3に偽陽性が出る可能性があることから、これらの同時測定が有用です。
・検査材料:血清
・基準値:単位(pg/ml)
男性:14以下
女性:卵胞期 21以下
排卵期 21以下
黄体期 21以下
妊婦:前 期 850以下
中 期 570〜5,200
後 期 3,300〜24,000
・測定方法:RIA(二抗体法)
高値を示す病態
巨大児妊娠、多胎妊娠 など
低値を示す病態
子宮内胎児死亡、子宮内胎児発育不全、無脳児妊娠、胎盤酵素欠損症(胎盤サルファターゼ欠損症、胎盤アロマターゼ欠損症)など
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