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TSH正常または高値でFT4高値の場合、FT4上昇に対してフィードバックが正常に働かず、TSH分泌が持続している状態が考えられ、不適切TSH分泌(SITSH)と呼ばれる病態です。
代表的な疾患として下垂体TSH産生腫瘍が挙げられます。TSH産生腫瘍は全下垂体腫瘍の1〜2%と頻度は少ないのですが、TSHの高感度測定の普及により発見症例が増加しています。下垂体の造影MRI検査で下垂体腫瘍が確認されればTSH産生下垂体腫瘍である可能性が高くなります。
頻度は稀ですが、鑑別すべき疾患として甲状腺ホルモン不応症(resistance to thyroid hormone:RTH)があります。甲状腺ホルモンに対する組織の反応性が低下している疾患でTRの遺伝子異常が多くの症例で認められています。また、患者血清中に抗T3抗体、抗T4抗体が存在する場合、アッセイ系に干渉してFT3、FT4の値が高値にでることがあります。橋本病やバセドウ病などの自己免疫性甲状腺患者に認められることがあり注意が必要です。
TSH低値、FT4高値
TSH低値、FT4正常
TSH正常または低値、FT4低値
TSH高値、FT4低値
TSH高値、FT4正常
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