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クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)感染症は性
行為感染症(STD)の主要なものの一つで、尿路感染症や不妊症の
原因となります。最近ではSTDや非淋菌性尿道炎の半数以上がクラ
ミジア感染症という報告もあります。
検査法には患部から擦過検体あるいは尿を採取する抗原系の検査と
血清中の免疫抗体を測定する抗体検査があり、本検査ではクラミジ
ア・トラコマティス特異的なIgG、IgA抗体を測定します。
検査材料に血清を用いる事で、擦過検体を主に用いる抗原検査と比
較し検体採取が容易であるという利点があります。また抗原検査に
みられる検体の採取部位や採取方法によりバラツキの出る可能性も
少ないとされています。
一般的なウイルスなどの感染症では、感染初期にIgM抗体が認めら
れ早期感染が証明されますが、クラミジア感染症では症状が顕著で
ないため、時期的にIgM抗体の検出の機会を逃す場合が多い。さら
にクラミジア感染症は増殖が活発な時期と一致してIgA抗体が認め
られることから、活動や感染性の指標としてはIgA抗体の測定が用
いられます。またIgA抗体が陰性化するまで治療を行なう場合も多
く、IgG抗体価により感染の既往を診断することも可能です。
本抗体検査は精製クラミジア外膜抗原を用いているため、非特異的
反応は少ないが交差性試験ではC.psittaciで25%、C. pneumoniae
では3%の交差が認められます。
検査材料:血清
基準値:陰性(−)
測定方法:EIA
陽性を示す病態
クラミジア・トラコマチス感染症(特に治療の指標、感染の既往の
診断に用いられる)
・IgA陽性:活動性あり
・IgG陽性:感染の既往あり
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