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更年期障害の治療法にはいくつかありますが、代表的なものとして
女性ホルモン(エストロゲン)を「補充」する、ホルモン補充療法
(hormone replacement therapy:HRT)と漢方療法があります。
その特徴は以下の通りです。
1)ホルモン補充療法(HRT)
・長所:一般的に有効性が高い
他の退行性疾患(骨粗しょう症・高血圧症など)にも
効果がある
・短所:副作用がある
・乳癌、子宮体癌、卵巣癌
・出血
・肝機能障害、凝固機能異常
・マイナートラブル(乳房痛、嘔気など)
保険の問題
2)漢方療法
・長所:知名度が高い
副作用が少ない
種類が豊富である
複数の生薬を含むため、一剤で幅広い対応が可能
・短所:証の問題(どの漢方薬を選択するのか?)
切れ味が悪い(8〜12週間の服用が必要)
飲みにくい
HRTと漢方療法は総合的効果はほぼ同等ですが、効果の大きさと
してはHRTが大きいこと、また各症状によりHRTと漢方療法の
効果は異なることが確認されています。
HRTと漢方療法の使い分けとしては、それほど症状が強くなく、
マイルドな効果を期待するのであれば漢方療法を選択し、症状とし
てhot flashや発汗などの血管運動神経障害様症状や膣症状、肩こ
りなどの関節・筋肉痛が主体であればHRTが、一方、めまいや動
悸などが主体であれば漢方療法が効果を上げやすいと考えられてい
ます。
近年、HRTの副作用のみが大きく取り上げられていますが、HR
Tが更年期障害に対しても効果が高いことは間違いありません。
まず、副作用の少ない漢方療法を4〜8週間施行し、そのうえで病
状の再評価を行い、HRTへの移行・追加投与を検討する方法が増
えています。
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