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HBs抗原の検出は、B型肝炎の診断、B型肝炎ウイルスの感染の診断、スクリーニングに用いられ、近年では予後や治療効果判定においても有用性が注目されています。また、治療目標がHBs抗原の消失とされていることから、より高感度な測定法が求められてきました。
高感度HBs抗原は、従来のHBs抗原試薬とは異なる測定原理を採用しています。
まず、検体前処理を行い、HBV粒子、小型球形粒子、および 管状粒子のウイルス膜からHBs抗原を遊離させます。この前処理は装置の中で自動的に行われます。
次に、一次抗体で抗原を捕捉するわけですが、ウイルス膜の外側に露出した抗原部位を認識する抗体の他に内側の抗原部位を認識する抗体を使用しています。外側を認識する抗体だけだと、変異があった場合捉えきれないこともあるため、変異が少ないと考えられているウイルス膜内側の抗原部位を捕捉することによりエスケープ変異株等もより検出し易いとされています。
感度は、従来のCLIAが0.05IU/mL、CLEIAが0.03IU/mLに対しHBsAg-HQは0.005IU/mLと約10倍の感度を有します。
名古屋市立大学と香港のグループとの共同データによれば、CLIA法でHBsAgが陰性化した329例のHBsAg-HQとHBcrAgとHBV-DNAを測定した結果、HBsAg陽性は85例で25.8%、HBcrAgは69例で21%と陽性を示しました。いずれかが陽性とすると40.4%です。またHBV-DNA陽性は7例で2.1%で、この内5例はHBsAg-HQでも陽性を示しHBcrAgは陰性でした。
この結果によれば、これまでHBsAgが消失したと思っていた症例のうち約40%もの例でHBの抗原が検出できたということです。
検査材料:血清
測定方法:CLEIA
基準値:単位(IU/mL)0.0050未満
※エスケープ変異株:HBs抗原領域の遺伝子に変異があるウイルスが同定され、これらはHBV Vaccine Escape Mutantと呼ばれる。
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