B型肝炎ウイルス コア関連抗原 HBcrAg

B型肝炎ウイルス感染の診断補助、治療効果のモニタリング、核酸アナログ製剤中止時のHBs抗原とHBコア関連抗原の合計スコアから再燃のリスクを予測することが可能

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B型肝炎ウイルス コア関連抗原 HBcrAg

HBVコア関連抗原(HBV core related Antigen:HBcrAg)は、肝細胞中のHBV複製の鋳型として機能する、HBVcccDNA(HCV covalently closed circular DNA)量を間接的に反映するマーカーです。核酸アナログ製剤投与下では、HBV-DNA量は速やかに低下するのに対し、HBcrAg量は緩徐に低下し肝細胞中のHBVcccDNAの量を反映します。
核酸アナログ治療で、治療中止時のHBcrAg量が低い症例では、肝炎の再燃が少ないとされています。また核酸アナログ製剤中止時のHBs抗原とHBコア関連抗原の合計スコアから再燃のリスクを予測することが可能です。
核酸アナログ製剤中止に伴うリスク回避のための指針2012はこちらから

検査材料:血清
測定方法:CLEIA
基準値:単位(LogU/ml)3.0未満

B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって引き起こされる直接的疾患は、一過性の急性B型肝炎と持続性のb型慢性肝炎です。B型慢性肝炎では、その自然経過においてHBV量が大きく変化することが知られており、さらにHBV量はHBVの感染力や疾患の予後とも相関が認められています。
肝組織中のHBV量を間接的に測定する方法として、血中HBe抗原測定や血中HBV-DNA測定がありますが、HBe抗原測定はHBe抗原がHBe抗体と複合体を形成している場合には測定できません。HBV-DNA測定にはPCR法(Polymerase Chain Reaction)やTMA法(Transcription-Mediated Amplification)などの遺伝子増幅法が用いられますが、ラミブジンやアデホビルピボキシルなどの抗ウイルス剤投与の場合はDNA合成が阻害を受け、血中へのHBV-DNAを含む完全粒子の放出が抑制されると考えられており、肝組織中にHBVが残存していても、HBV-DNA合成が阻害されるために血中のHBV-DNAが陰性化する場合があります。また、生検(肝組織採取)によるcccDNAの測定は肝組織中のHBV量を直接的に知る方法として有用ですが、侵襲性が高い検査法であることから実施は容易ではありません。

ルミパルスHBcrAgは、操作が簡便で且つ広い測定範囲を有する高感度なHBV定量系として開発されました。測定対象となるHBVコア関連抗原は、HBe抗原・HBc抗原・分子量22kDのp22crと呼ばれるHBVプレコア蛋白の3種類であり、ラミブジン等の逆転写酵素阻害作用を有する抗ウイルス剤治療時においても血中に放出されていると推測されるため、肝組織中のウイルス量を反映し、B型肝炎患者の診断補助および経過観察、抗ウイルス剤治療時の効果判定、薬剤投与中止の可能性判断および病態把握に有用な情報を提供すると期待されます。

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