ケトン体分画(静脈血)

脂肪酸の分解産物。糖尿病の重症化に伴うケトアシドーシスで高値になる。

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ケトン体分画(静脈血)

ケトン体はアセト酢酸(AcAc)、3-ヒドロキシ酪酸(3-OHBA)、アセトンの3種類の物質から構成され、本検査はその中でケトアシドーシスなどの診断に重要な、アセト酢酸と3-ヒドロキシ酪酸の2物質を分画定量するものです。アセトンは健常人血中にはほとんど認められませんが、産生された場合には、揮発性のため呼気中にケトン臭として観察されます。

ケトン体は脂肪酸がβ酸化されたものであり、さまざまな筋肉で利用されますが、一般に血中濃度が高値になる要因は利用低下よりも、肝での脂肪酸酸化によるケトン体生成亢進によるものが多い。たとえば摂取栄養量の低下により体脂肪を動員する場合のように、エネルギー代謝が脂肪酸に偏った状態は、肥満患者の治療に低エネルギー食を施行した際にみられます。また1型糖尿病(IDDM)における、インスリン欠乏によるブドウ糖利用の低下、脂肪酸動員の亢進状態でも増加し、速やかにインスリンを投与するなどの処置が必要です。

アセト酢酸と3-ヒドロキシ酪酸は酸性なのでこれらが高値になり予備量を越えるとケトアシドーシスを引き起こします。特に1型糖尿病では3-ハイドロキシ酪酸が著明に増加します。

検査材料:血清
検査方法:酵素法
基準値:単位(μmol/l)
総ケトン体 26.0〜122
アセト酢酸 13.0〜69.0
3-ハイドロキシ酢酸 76以下

高値を示す病態
糖尿病の重症化に伴うケトアシドーシス、下痢や嘔吐、脱水によるアシドーシス、飢餓、発熱による消耗状態、グルカゴノーマ など

低値を示す病態
低値側の臨床的意義は少ない

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