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(日経メディカルオンライン・ニュースより抜粋)
糖尿病患者の主な死因の1つに心血管疾患があげられます。
糖尿病患者が急性冠症候群(ACS)を発症した場合、最新の治療を
適用しても、30日後と1年後の全死因死亡率は、糖尿病のないACS
患者に比べ有意に高いことが明らかになりました。
これは、米国Cornell大学医療センターのSean M. Donahoe氏
らの報告で、詳細はJAMA誌2007年8月15日号に掲載されました。
著者らは、ACSで治療を受けた患者のうち、ACS発症前から糖尿病
があった患者と糖尿病では無かった患者の死亡率を比較するため、
Thrombolysis In Myocardial Infarction(TIMI)試験に登録
されたACS患者のデータをプールした。
TIMIは、ACS治療の評価を目的として複数行われた無作為化試験の
ことです。
1997-2006年に55カ国で行われた11件のTIMI試験の被験者から、
ST上昇心筋梗塞(STEMI)患者4万6577人と、不安定狭心症または
非ST上昇心筋梗塞(UA/NSTEMI)患者1万5459人、計6万2036人の
データを抽出した。うち1万613人(17.1%)がACS発症前から糖尿
病だった。
ACS発症時に糖尿病だった患者は、そうでない患者に比べ、より年
齢が高く、女性が多く、BMI値が高く、高血圧、高脂血症、心筋梗塞、
心不全既往が多かった。喫煙率は低かった。
発症時のTIMIリスクスコアは、糖尿病患者、特にSTEMI発症者で高
かった。
この結果は、ACSに対する最新の治療も、糖尿病が予後に及ぼす影響
を十分に減らせないことを意味し、糖尿病を抱えるハイリスク患者
に対する、より有効な管理方法が必要であることを示しています。
※「急性冠症候群」(acute coronary syndrome; ACS)
心臓が栄養としている冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態に
なり壊死してしまった状態を心筋梗塞と、心筋が虚血状態に陥って
も壊死にまで至らない前段階を狭心症といい、狭心症から急性心筋
梗塞までの一連の病態を総称して急性冠症候群といいます。
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