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血糖コントロール状態を判断する指標として、グリコヘモグロビン(HbA1c)は広く用いられ、糖尿病診療において不可欠の臨床検査となっています。しかし、糖尿病透析患者では、HbA1cは見かけ上低値を示すため、正確に血糖コントロール状態を評価することができません。
HbA1cの生成量は血中ブドウ糖濃度と比例し、赤血球寿命が約120日であるため、約1〜2ヶ月の長期間の血糖コントロールの指標となります。HBA1cに対する血糖の寄与率は、1ヶ月前までの血糖が50%、1〜2ヶ月前が25%、2〜4ヶ月前が25%といわれています。
しかし、透析患者では、もともとの赤血球寿命の短縮(約60日)に加え、透析療法による失血や出血、および腎性貧血治療のためのエリスロポエチン(EPO)投与により、HbA1c値の低い幼弱赤血球の割合が増える為、HbA1cが低値になる傾向があります。
そのため、HbA1cに代わる血糖コントロール指標としてグリコアルブミン(GA)が注目されるようなりました。
GAは体内のアルブミンが糖化形成された糖化タンパク質です。アルブミンと糖との結合率はヘモグロビンの約10倍であるため、GAは血糖状態の変化に伴い大きく変動します。アルブミンの半減期は17日で、ヘモグロビンより代謝回転が早いため、GAは過去2週間の血糖コントロール状態を反映します。GA値に対する血糖の寄与率は、採血直前の17日間の血糖がGA値の50%、その前の17日間の血糖が25%を、さらに前の血糖が残りの25%を決定しています。GAは透析患者にみられる赤血球寿命短縮の影響を受けないため、HbA1cよりも透析患者の血糖コントロールの指標として優れており、HbA1cに代わるコントロール指標となることが報告されています。
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