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W型コラーゲンは生体の細胞外マトリックスの構成成分であり、腎では主として糸球体基底膜に分布しています。
糖尿病の主要な合併症の一つである糖尿病性腎症をきたすと、糸球体には基底膜の肥厚とメサンギウム領域の拡大が特徴的に認められます。この現象はW型コラーゲンを主体とする細胞外マトリックスの増加に起因するとされ、実際、糖尿病患者の腎糸球体や尿細管の基底膜でW型コラーゲンの増加が報告されています。
このため尿中アルブミンやトランスフェリン等の血中由来蛋白が糸球体の透過性異常を反映するのに対し、尿中W型コラーゲンは、糸球体組織より直接脱落したものであるため、“糸球体の傷害”自体を反映する指標と考えることができます。
糖尿病性腎症において尿中W型コラーゲンは、尿中アルブミン値が正常域を示す腎症前期(第一期)においても上昇し、40〜50%の陽性率を示します。したがって本症におけるより早期の診断並びに病態の進展予知に有用です。
検査材料:尿
測定方法:EIA
基準値:単位(μg/g・Cr)
早朝一番尿 40歳以上 4.9 以下 30歳代 4.0 以下
随時尿 7.3 以下
高値を示す病態:糖尿病性腎症
低値を示す病態:低値側の臨床的意義は少ない
※細胞外マトリックス(Extracellular Matrix)とは生物において、細胞の外に存在する超分子構造体。通常、ECMと略され、細胞外基質、細胞間マトリックスともいう。
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