B型肝炎(HB)

B型肝炎(Hepatitis B:HB)はB型肝炎ウイルス(HBV)が原因のウイルス性肝炎です。

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B型肝炎(HB)

B型肝炎(Hepatitis B:HB)はB型肝炎ウイルス(HBV)が原因
のウイルス性肝炎です。
B型肝炎ウイルス(HBV)は直径42nm(ナノメーター:1mの
10億分の1の長さ)の二重構造をもつ球形のDNA型ウィルスで、
ヘパドナ(ヘパ:肝、ドナ:DNA、つまり肝臓に病気を起こすDN
A型ウィルスという意味)ウィルス科に属します。
ウィルス粒子は直径約27nmの芯(コア:core)とこれを被う外殻
(エンベロープ:envelope)から成り立っています。
外殻はHBs抗原タンパクより成り立っていますが、HBs抗原タン
パクは、ウィルスの外殻を構成する他に、ウィルス粒子とは別個に、
コアを欠く直径22nmの小型球形粒子、あるいは桿状粒子としても
大量に血液中に放出されています。HBVに関連する抗原はHBs抗
原の他に、ウィルスのコアを構成するHBc抗原およびHBe抗原の
3種類があり、コア粒子の内部には、ウィルスの遺伝子(HBV−D
NA)とこれが増える時に必要な酵素、DNAポリメラーゼが存在し
ます。

・感染経路
B型肝炎ウィルスをもっているキャリア(HBVをもっているが肝炎
をおこさない人、母から子への垂直感染や幼少期の水平感染では成人
するまで無症状で過ごす)の血液を介して非経口(注射針など)で感
染します。

・潜伏期
ウィルス感染後1〜6ヶ月で発病

・主な初期症状
急性感染では発病約1週前より食欲不振、全身倦怠感などの前駆症状
がみられます。発病すると吐き気、嘔吐、黄疸、肝主張(肝臓のはれ)
などが出現します。

・経過
急性で発病する場合と、徐々に発病する場合とがあります。急性感染
では劇症化する例を除くとほとんどが発病3ヶ月以内に治ります。

・その他の特徴
無症状キャリアの母から子への感染は約半分といわれています。成人
しても自覚症状がなく、肝機能も正常であれば無症状キャリアであっ
ても患者ではありません。しかし、成人後10〜30%が慢性肝炎や
肝硬変をおこすといわれます。ワクチンによる予防は可能です。

関連検査:HBs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体、
HBc抗体、HBV−DNA、HBV−DNAポリメラーゼ、
肝機能検査、触診、腹部エコーでの肝臓の腫大

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