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A型肝炎(Hepatitis A:HA)はA型肝炎ウイルス(HAV)感染による、一過性の急性肝炎を主症状とする疾患です。
最近の日本のA型肝炎発生状況の特徴として次のことがあげられます。
・年間500人前後の患者報告数がある。
・主要な感染 源は牡蠣やなんらかの飲食物(おそらく海産物) によるものである。
・罹患年齢では乳幼児や学童は稀で、高年齢化が認められる。
・子供の感染では症状が軽くてすむが、高齢者では重症化しやすいので注意が必要である。
・患者全体の約1割が海外渡航からの帰国者であり、殆ど中国、インド、東南アジア地域 での感染である。
・A型肝炎の発生には季節変動があり、秋に少なく、冬から春、初夏にかけての発生が多い。
感染経路
A型肝炎ウイルス(HAV)に汚染された水や野菜、魚介類などを生で食べることにより感染します。基本はヒトからヒトへの感染であり、食物を介さずに、糞便に汚染された器具、手指等を経て感染することもあります。HAVは感染力が強く集団発生することがあります。また近年は肛門性交による性感染症としても知られています。
潜伏期
HAV感染後2〜6週間の潜伏期を経て発病。
おもな初期症状
発病約1週間前より発熱、食欲不振、全身倦怠感などの前駆症状がみられます。発病すると、吐き気、黄疸、肝腫脹(肝臓のはれ)、発熱、灰白色便などが認められます。
経過
急性で発病しますが、大部分は発病後1〜2ヶ月の経過で回復します。
その他の特徴
幼児期の感染は、不顕性(症状がでない)かまたは、症状がでても軽症、中年以上の感染ではときに重症化することがあります。
保育所、小・中学校などで飲料水による経口感染で小流行することがあります。キャリアはなくワクチンによる予防は可能です。
関連検査:HA抗体・IgM-HA抗体・肝機能検査・触診、腹部エコーでの肝臓の腫大
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