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クローン病(Crohn's disease:CD)は原因不明で、主として若年者にみられ。潰瘍や線維化を伴う肉芽腫性炎症性病変からなり、口腔から肛門までの消化管のどの部位にも起こりえます。消化管以外(特に皮膚)にも病変が起こることがあります。
原因として、現在は遺伝的な素因を持ち、免疫系の異常(主としてマクロファージが腫瘍壊死因子αというサイトカインを分泌して腸壁の正常細胞を傷害すること)がおこり、その上で食餌因子などの環境的な因子が関係しているのではないかと考えられています。
クローン病の初期症状で最も多いのは、出血を伴う慢性下痢、けいれん性の腹痛、発熱、食欲不振、体重減少です。これらの症状は数日間から数週間継続し、治療しなくとも治まります。しかし一度発作を起こしただけで完全に回復することはきわめてまれです。クローン病は生涯を通して不規則な間隔で再発します。再発は軽いことも重いこともあり、短いことも長びくこともあります。重症の場合は激痛や脱水、血液量の減少が起こります。なぜ症状が回復したり悪化したりするのか、何が再発のきっかけなのか、重症度を左右するものが何か、はわかっていません。炎症は腸の同じ場所に再発する傾向にありますが、患部を手術で切除した後には別の領域に広がることもあります。
臨床的特徴
腹痛・下痢・体重減少・発熱・肛門病変・消化管外合併症(貧血・
低蛋白症・強直性脊椎炎・口内アフタ・結節性紅斑・壊疽性膿皮症
虹彩炎・成長障害など)
関連自己抗体
ASCA(Anti-saccharomyces cerevisiae antibodies)
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