HDL−コレステロール定量

HDL

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HDL−コレステロール定量

HDL−コレステロール(高比重リポ蛋白 High Density Lipopr
otein:HDL)は血管内皮に蓄積したコレステロールを掃除したり、
動脈硬化を抑える働きをするので、「善玉コレステロール」と呼ば
れることもあります。
HDLは抗動脈硬化作用を有し、冠動脈疾患(CHD)の防御因子
として重要であり、低HDL−コレステロール血症はCHDの主要
なリスクファクターの一つに数えられています。

HDLは主に肝臓・腸管で合成されタンパク質50%・脂質50%から
構成されます。脂質はさらにリン脂質23%・コレステロール20%
トリグリセライド(中性脂肪:TG)5%などから成っています。
主要なアポタンパクはアポA-T・A-U。
HDL−コレステロールの測定はこのHDL分画中のコレステロー
ルを測定し、HDLの総量および組成について知るための検査です。
動脈硬化性疾患における危険因子の検査や脂質代謝異常が想定され
るときに有用です。

基準値:M 40〜86 F 40〜96(mg/dL)
測定方法:選択阻害法(直接法)

減少する疾患(一次性)
Tangier 病(家族性HDL 欠損症)、アポA -1 ミラノ病、
魚眼病(fish-eye disease )

減少する疾患(二次性)
LCAT 欠損症、アルコール性肝炎、ウィルス性肝炎、ネフローゼ症
候群、虚血性心疾患、甲状腺機能亢進症、高リポ蛋白血症(I・V・
W・X型)、糖尿病、透析、動脈硬化、肥満、慢性腎不全、無βリ
ポ蛋白血症(Bassen-Kornzweig症 候群)

上昇する疾患(一次性)
家族性高αリポ蛋白血症(長寿症候群)

上昇する疾患(二次性)
糖尿病(インスリン治療)

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