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細菌や真菌感染症では、食細胞膜のTREM-1の細胞外ドメインが切断を受けて血清。胸水、肺細胞洗浄液、尿、および脳脊髄液中に増加してくるため、sTREM-1を酵素免疫測定法
(enzyme linked immunosorbent assay:ELISA)で同定することが可能です。すでに数社からキット化され市販されています。
敗血症における血清中のsTREM-1の動態に関してはCRPおよびプロカルシトニン(PCT)の動態と比較した報告があります。敗血症患者血漿中における急性期のsTREM-1、CRP、PCTの定量値は全身性炎症反応症候群(SIRS)患者のこれらの値より高値を示しました。sTREM-1のSIRS患者血漿中の濃度平均が59.97pg/mLに対して敗血症患者では149.06pg/mLを示しました。しかし好中球減少症をはじめとした免疫細胞の減少を伴う疾患では、感染急性期の血清中sTREM-1濃度が有意に上昇しない可能性もあり注意を要します。
ウイルス感染症
ウイルス感染症においてもTREM-1カスケードが活性化するエビデンスが報告されています。ヒト免疫不全ウイルス1型(human immunodeficiency virus type 1:HIV-1)由来gp41蛋白質が末梢血単核細胞に作用して細胞内TREM-1遺伝子発現を亢進することが示されています。
ウイルス感染症患者の血清中sTREM-1を実測したデータは、デング熱に関した報告があります。健常人血清中のsTREM-1濃度を基準(中央値:71pg/mL)としたとき、デング熱感染者では有意な高値(171.4pg/mL)を示しました。
微生物の関与しない炎症性疾患におけるTREM-1の発現は、近年プロスタグランジンE2や尿酸結晶によって誘導されることや、いくつかの自己免疫疾患においても発現上昇することから、微生物以外の炎症性疾患の有用なバイオマーカーとなることが示唆されています。健常人血清中のsTREM-1濃度を基準(中央値:63pg/mL)としたとき、関節リウマチ(290pg/mL)、全身性エリテマトーデス(195pg/mL)、再発性多発軟骨炎(273pg/mL)で有意に高値を示しています。
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