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血清アミロイドA(serum amyloid A:SAA)は、分子量約12,000の、おもに肝細胞由来の急性期蛋白で炎症マーカーの一種です。ヒトSAA遺伝子には、現在まで少なくともSAA1〜SAA4までの4種類が知られていますが、本検査ではSAA1とSAA2の蛋白が測定されます。両者は構造上非常に類似しており、相同性は約95%といわれています。血中での割合はSAA1が約70%と大半を占め、おもにリポ蛋白であるHDLと結合して存在しています。
SAAの特徴は、CRPが正常か、あまり上昇を見ないような炎症性疾患で高値が認められることにあります。たとえばウイルス性疾患では、一般にCRPの変動は小さいが、SAAは上昇することが多いため、特に診断の判断材料に乏しい小児科領域での応用が期待されています。
また、全身性エリテマトーデス(SLE)でCRPがあまり上昇しないのに対し、SAAは特にその活動期で高い陽性率を示すため、病勢の指標に有用と考えられています。
さらに急性心筋梗塞などの臓器組織傷害や、細菌・真菌感染症、悪性腫瘍などでもSAAの血中濃度は上昇します。最近では腎移植後の拒絶反応を鋭敏に検出する指標としても注目されています。
検査材料:血清
測定方法:LA(ラテックス凝集比濁法)
基準値:単位(μg/ml)8.0以下
・高値を示す病態
自己免疫疾患(SLE、RAなど)、ウイルス感染症、細菌・真菌感染症、急性心筋梗塞、動脈硬化症、悪性腫瘍、移植後拒絶反応 など
・低値を示す病態
低値側の臨床的意義は少ない
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