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欧州の14カ国が参加した最近の研究にり、男性ではエタノール換算
で1週間に200〜360グラムの飲酒を長期にわたり続けると、肝硬変
や肝癌のリスクが上昇することが示されました。代謝の違いから女
性ではアルコールの影響がさらに顕著になり、リスク上昇の閾値が
100〜180グラムに下がります。なお、エタノール換算値は、ワイン
1リットルで約80グラム、ビール1リットルで約40グラムになりま
す。
フィレンツェ大学内科教授のMassimo Pinzani氏は、飲酒量だけで
なく飲み方の習慣も重要だと説明しています。
1週間の飲酒量が閾値を超えていなくても、短時間に大量のアルコ
ールを摂取することも問題で、例えば週末の大量飲酒は急性の肝障
害を起こすことがあり、最近までこのような飲酒習慣は、主に北欧
や中欧の寒い国に限られていると思われていましたが、今や欧州全
体の若者に広がっていると指摘しました。
アルコール依存状態の飲酒が長期間にわたって続くと、最初は脂肪
肝への変性から始まり、肝炎や肝硬変につながっていきます。これ
らは腹部の浮腫や脳の疾患、食道静脈瘤からの出血なども起こし、
最悪の場合は肝機能障害が代謝系全体を崩壊させ死に至ります。
しかしながら大量飲酒者が全員肝疾患を起こすわけではなく、肝硬
変や肝癌に至る場合は、アルコールの有害性が発揮されるかどうか
には遺伝的素因もかかわっているようです。最近の研究では、イン
ターロイキン−10の産生をコントロールするDNAの機能異常が、
肝障害の発症にかかわっていることが明らかになりました。
エンドステージまで進んでしまった肝疾患の治療は、現在でも移植
のほかにはなく、アルコール性肝硬変で亡くなるリスクを抱えた患
者のうち、肝移植を受けられるのは6%とする推計もあります。
肝移植が必要になる前の段階で食い止めるには、大量飲酒の習慣を
改めることが最も有効であることは間違いないようです。
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