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アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(asparate aminotransferase:AST)は、一般にGOTとも呼ばれる酵素です。ピリドキサールリン酸を補酵素とするアミノ基転移酵素であり、肝、骨格筋、心筋など多くの臓器組織細胞中に含まれます。
ASTには臓器特異的なアイソザイムは存在しませんが、細胞内局在を異にするm-AST(ミトコンドリア分画)、s-AST(細胞上清分画)の二つのアイソザイムが存在します。
一般に、健常者では総AST中に占めるm-ASTの比率は15〜30%くらいといわれています。
臓器細胞が障害を受けると通常ASTが上昇しますが、これはs-ASTが逸脱してくるためであり、m-ASTは障害が肝細胞壊死を伴う状態に進行し、それが細胞内ミトコンドリアにまで及ぶときに初めて血中に出現します。したがってASTとm-ASTを測定することにより肝臓の細胞レベルでの病態検索が可能になります。
アルコール性肝炎において m-AST/AST比 は他の肝疾患に比べ有意に高値を示すといわれています。
検査材料:血清
測定方法:プロテアーゼ法
基準値:単位(IU/l/37℃)7以下
・高値を示す病態:劇症肝炎、ウイルス性肝炎、薬剤性肝障害、アルコール性肝炎、慢性肝炎(活動型、非活動型)、肝癌、肝硬変、胆汁うっ滞、閉塞性黄疸
・低値を示す病態:低値側の臨床的意義は少ない
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