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心腎症候群(cardio-renal syndrome:CRS)は心臓と腎臓のどちらかの障害が他方の臓器の障害を誘発する複雑な種々の病態です。Roncoらは、CRSを発症機転と経過から5型に分類することを提唱しています。
肥満は、心血管イベントのリスクファクターとして確立されており、BMIが高いほうが心不全による入院後死亡率は低く、心不全の長期予後は良好だとするデータが海外で報告され、「肥満パラドックス」として注目が集まっていますが、この「肥満パラドックス」が日本人の心不全患者にも当てはまることが示唆される研究結果が発表されました。
今回の研究では、心臓血管研究所心研データーベースを用い、登録患者1万9994人の中から抽出したLVEF≦50%の症候性心不全患者337人を対象としています。
BMIによって、やせ群 (BMI<20kg/m2)51人(15%)、正常群 (BMI=20〜24.9kg/m2)152人(45%)、過剰体重群 (BMI=25〜29.9kg/m2)109人(32%)、 肥満群 (BMI=30kg/m2)25人(7%)の4群に分け解析を行った結果は以下のとおりです。
EPA/AA比 は、血液中の脂肪酸の エイコサペンタエン酸(EPA)と アラキドン酸(AA)の割合を示しています。EPA は動脈硬化を抑制しますが、 AA は炎症を引き起こし、動脈硬化を促進するように働きます。 動脈硬化性疾患の患者では、この EPA/AA比 が低いことが報告されています。
急性心筋梗塞(AMI)では、冠動脈粥状硬化症の進展と不安定プラークの破裂が重要なプロセスとなります。AMI患者を対象に、血液中の脂肪酸と冠動脈プラーク、石灰化の関連について検討した研究(三豊スタディ)で AMI 患者における血中の EPA 濃度は有意に低く、血中 EPA/AA比 は有意に低いという結果が得られています。また、AMI患者において血中 EPA/AA比 と冠動脈プラークに相関関係があることが示唆され、血中のEPA濃度が低いと、動脈硬化が進展していることが推定されます。
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