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トロポニンTは、横紋筋の薄いフィラメント上でトロポニンI、C
とともにトロポニン複合体を形成し、筋収縮の調節に関与している
分子量39,000の蛋白です。
平滑筋には存在せず、しかも構造が心筋と骨格筋とで異なるため、
両者を明確に識別することが可能となり、現在最も特異的な心筋障
害のマーカーと考えられています。
また、心筋特異性が極めて高いため、骨格筋障害を伴う場合(ショ
ックや重症心不全の合併、筋肉注射やカウンターショックの施行、
外傷の合併、運動中の発症など)に特に有用です。
一方、トロポニンTは、心筋の構造蛋白ですが、一部が細胞質にも
存在するため心筋梗塞発症早期(3〜6時間後)から2〜3週後まで有
意の上昇が持続します。
このため発症後、時間を経て来院した患者の診断には有用であり、
PTCAなどの治療における効果の判定にも利用されます。
※PTCA:percutaneous transluminal coronary angioplasty
経皮的冠動脈形成術(けいひてきかんどうみゃくけいせいじゅつ)
基準値:0.10以下(ng/mL)
測定方法:ECLIA
高値疾患
心筋炎、心筋梗塞、腎不全
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