高感度心筋トロポニンTとトロポニンI - 心筋マーカー

心臓疾患におけるマーカーのミオグロビン・CK−MB・トロポニンT・ANP・BNP等について説明しています。

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高感度心筋トロポニンTとトロポニンI

心筋トロポニンの高感度測定系が普及し始めています。超急性期心筋梗塞で偽陰性が出やすかった従来の測定系の欠点を克服し、心不全や心筋炎など、他の心疾患の診断・予後評価への応用も期待されています。
トロポニンは筋収縮を調整する蛋白で、トロポニンTとIは、心筋のみに存在し、心筋が壊死すると血中に流出するため、心筋特異的なバイオマーカーとして心筋梗塞の診断時に広く活用されています。ただし従来の測定系では、低値の測定精度が低く、心筋梗塞発症2〜3時間後のような超急性期や微小の梗塞では偽陰性となるケースが少なくない為、胸痛発症直後に陰性の場合でも、心筋梗塞は否定できず、発症後5〜6時間経過した後の再検査が必要とされていました。

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ミオグロビン 血清

ミオグロビンは分子量約1万7,200の筋肉中に存在するヘム蛋白質です。ヘモグロビンと同様に酸素と結合し血液中の酸素を筋肉中に運ぶ機能をもちますが、ヘモグロビンよりも酸素親和性が高いために運搬効率が良いとされています。
心筋や骨格筋などの筋組織の障害で早期より血中に逸脱し、分子量が小さいために容易に尿中に排泄されます。そのためにミオグロビンは他の心筋マーカーと比べて増減が速く、急性心筋梗塞では発症後1〜3時間で血中に上昇し始め6〜10時間程度でピークに達します。
一方、ミオグロビンは組織特異性が低いため、Duchenne型やBecker型の筋ジストロフィー症や、筋肉注射などでも骨格筋から流出したミオグロビンの影響を受け高値になります。しかし筋ジストロフィー症では病初期で高値になるが進行すると筋肉組織の荒廃により枯渇するため低下し、病状の進行度との相関は認められません。

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NT-proBNPの測定値と慢性心不全の診断指標

NT-proBNPは心不全の診断・モニタリングにおいて、BNPと同等の臨床的有用性を有し、より鋭敏に心腎機能を反映します。また、NT-proBNPとNYHA分類およびACC/AHA慢性心不全の評価には相関がみられ、心機能による患者さんの層別化をより確実に行うことが可能です。

正常群(NT-proBNP:〜55pg/ml)心疾患の疑いなし
定期的な健診により、生活習慣病を予防していくことが重要。

高リスク群(NT-proBNP:55〜125pg/ml)心負荷あり。高血圧などの生活習慣病の疑い。早期の予防・改善が必要。ステージA

無症候群1(NT-proBNP:125〜500pg/ml)心疾患の疑い。生活習慣病および/もしくは心不全を含む心臓病の疑い。早期予防・改善に加え、経過観察が必要。ステージB NYHAT度

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