スポンサードリンク
リウマチ因子(RF)は関節リウマチ(RA)の診断に欠かせないもので、感度は70〜80%とされており、発症初期では50%程度です。RA以外の膠原病、慢性炎症性疾患、高齢者においても陽性となり、これらを対象とした特異度は低くなります。抗ガラクトース欠損IgG抗体(CARF)は感度は高く、早期RAの診断に有用です。
2010年に新RA分類基準が策定され、この中のクコアリングシステムは関節病変、血清学的検査(RF、ACPA)、急性期反応物質(赤沈、CRP)および罹患期間の4項目からなり、10点中6点以上のスコアがあればRA確定例と分類されます。
RFの定量法のほとんどは、WHO標準品(64/001)に準拠されていますが、方法論的に標準物質による標準化は至難の業です。2011年に日本臨床検査標準協議会(JCCLS)が指針「リウマチ因子の標準化カットオフ値を15 IU/mlとする。実測値に係数を加減して補正値とする」を認証し、これによりどの試薬もカットオフ値が15 IU/mlで健常人の5%が陽性となる値を意味し、試薬によって診断精度が異なっていたものが是正されました。
・RF定量値の意義と注意点
1)15 IU/ml未満:陰性
RA発症の前後で陽性化する例がある。RF陰性のRAが存在する。
2)15〜46 IU/ml:陽性(低力価・低値陽性)
RA以外の膠原病、慢性炎症性疾患、高齢者においても陽性となる。15 IU/mlはJCCLSによって認証されたカットオフ値。
3)45〜100 IU/ml:陽性(中力価・高値陽性)
新RA分類基準では高値陽性はカットオフ値の3倍以上と規定されている。
4)100 IU/ml以上:(高力価・高値陽性)
高力価の値は参考値とする(希釈直線性を示さない検体がある)
45IU/ml以上の定量値:RF高値陽性の多発関節炎患者はRAになるリスクが高い。高力価の症例はX線画像上の関節破壊進行度が速く、関節予後に役立つ。高力価ほど寛解導入率が低い。
治療効果判定としてのRF定量値は、治療によるRAの軽快に伴って長期的には力価が低下し、陰性化することもありますが、モニタリングの意義は少ないと言えます。
▽リウマチ因子RF定量値の意義と注意点 のキーワード
▽次の記事、前の記事
スポンサードリンク
当サイトのRSS
サイトについて
注意事項新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP