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RAの早期診断の必要性
関節リウマチ(RA)の治療は、近年、炎症性サイトカインの作用
を抑制する生物学的製剤が開発されるなど、格段の進歩を遂げつつ
あります。一方、RAの関節破壊は病初期(発症2年以内)に進行
するため、早期の診断と適切な薬物療法が以前にも増して重要とな
ってきました。
RAの診断にはアメリカリウマチ学会(ACR)の分類基準が用い
られていますが、早期RAの診断には感度が十分でないことが指摘
されています。
わが国でも、日本リウマチ学会の早期RA診断基準(1994年)が策
定され、さらに抗CCP抗体を用いた厚労省研究班による早期RA
診断基準(2005年)でさらに診断効率を向上させる検討が行われて
います。
・日本リウマチ学会の早期RA診断基準(1994年)
1)3関節以上の圧痛または他動関節痛
2)2関節以上の腫脹
3)朝のこわばり
4)リウマトイド結節
5)赤沈20mm以上の高値、またはCRP陽性
6)RF陽性
※6項目中3項目以上を満たすものをRAと診断する
・厚労省研究班による早期RA診断基準(2005年)
1)抗CCP抗体またはRF:2点
2)対称性手・指滑膜炎(MRI):1点
3)骨びらん(MRI):2点
※3点以上を満たすものをRAと診断する
抗CCP抗体のRA早期診断における有用性
初診時に診断が未確定であった関節炎100例の転帰と、抗CCP
抗体の関係を調べた結果、初診時の抗CCP抗体は35例で陽性で
したが、そのうち77%にあたる27例が3年後までにRAと診断
あるいはRAの疑いが強いとして治療を開始しました。
一方、抗CCP抗体が陰性であった65例中82%にあたる53例
では他のリウマチ性疾患と診断されるか、診断未確定のまま推移し
ています。
同様の検討を初診時RFについて行うと、陽性者のRA診断率は
52%、陰性者のRA未確定率は73%となり、抗CCP抗体の方
が早期RAの診断補助により有用であることがわかります。
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