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抗好中球細胞質抗体(anti-neutorophil cytoplasmic antibody :ANCA)は好中球の塗抹スライドを用いた間接蛍光抗体法により検出される自己抗体で、好中球の細胞質が顆粒状に染色されるcytoplasmic-anti-neutorophil cytoplasmic antibody(C-ANCA)と細胞核周辺がびまん性に染色されるPerinuclear-ANCA(P-ANCA)に大別されます。
P-ANCAの対応抗原は主としてミエロペルオキシダーゼ(MPO)であることから、MPO-ANCAと呼ばれます。MPO-ANCAは半月体形成性腎炎、巣状壊死性腎炎などで高頻度に検出されますが、いずれも血管炎を主体とする病態であるため、これらは「ANCA関連血管炎」とも呼ばれます。
MPO-ANCAが陽性の場合は、急速に腎炎から腎不全へと進行するため、早期に免疫抑制療法などの処置を検討すべきで、鑑別には、好酸球やIgEの定量やC-ANCA検索、病理組織診が必要になります。MPO-ANCAの陽性率は、半月体形成腎炎で80%以上、アレルギー性肉芽腫性腎炎で30〜60%といわれています。健常者でも陽性となる場合があるため診断には検尿はじめ他の検査所見をも考慮する必要があります。
検査材料:血清
測定方法:EIA
基準値:単位(U/ml)9.0未満
・高値を示す病態
半月体形成性腎炎、巣状壊死性腎炎、結節性動脈周囲炎様血管炎、アレルギー性肉芽腫性腎炎、Goodpasture症候群、全身性進行性強皮症(PSS)
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