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免疫グロブリンIgGにはIgG1〜IgG4のサブクラスがあり、IgG4の測定はIgG4関連疾患の診断に有用です。IgG4関連疾患には、自己免疫性膵炎・ミクリッツ病・キュットナー腫瘍・下垂体炎・間質性肺炎・後腹膜線維症・間質性腎炎・糸球体腎炎・前立腺炎・Riedel甲状腺炎などがあり、中でも自己免疫性膵炎及びミクリッツ病の診断基準にはIgG4値が採用されています。
自己免疫性膵炎は、その発症に自己免疫機序の関与が疑われる膵臓炎です。診断において膵癌や胆管癌などの腫瘍性の病変と鑑別することが重要です。自己免疫性膵炎では、糖尿病の合併がみられる症例も報告されています。
診断基準2006(厚生労働省研究班/日本膵臓学界)
1)膵画像検査で特徴的な主膵管狭細像と膵腫大を認める
2)血液検査で高γグロブリン血症、高IgG血症、高IgG4血症、自己抗体のいずれかを認める。
3)病理組織学的所見として膵にリンパ球、形質細胞を主とする著明な細胞浸潤と線維化を認める。
※上記の1)を含め2項目以上を満たす症例を自己免疫性膵炎と診断する。ただし、膵癌・胆管癌などの悪性腫瘍を除外することが必要。
ミクリッツ病は、病理組織学的な類似性からシェーグレン症候群の一亜型と認識されてきました。しかし臨床像や、血清学的に抗SS-A/SS-Bをはじめとする自己抗体に乏しいこと、IgG4陽性形質細胞浸潤はシェーグレン症候群では観察されないことなどから、新たな新規リウマチ性疾患として位置づけられ、全身生IgG4関連疾患の一種とみなされています。
IgG4関連ミクリッツ病診断基準(日本シェーグレン症候群研究会IgG4関連疾患検討委員会)
1)涙腺、耳下腺、顎下腺の持続性(3ヶ月以上)、対称性に2ペア以上の腫脹を認める。
2)血清学的に高IgG4血症(135mg/dl以上)を認める。
3)涙腺、唾液腺組織に著明なIgG4陽性形質細胞浸潤(強拡大5視野でIgG4陽性/IgG4陽性細胞が50%以上)を認める。
※項目1)と項目2)または項目3)を満たすものを、IgG4関連ミクリッツ病と診断する。また、サルコイドーシス、キャッスルマン病、ウェゲナー肉芽腫症、リンパ腫、癌を鑑別する。
検査項目名:IgGサブクラスIgG4
検査材料:血清
測定方法:ネフェロメトリー法
基準値:単位(mg/dl)4.8〜105
2010年5月保険適用 免疫学400点
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