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抗β2グリコプロテイン1抗体(anti-β2glycoprotein 1 antibodies:aβ2GP1)は、抗リン脂質抗体症候群(APS)の診断に用いられる抗リン脂質抗体のひとつでAPSの血栓症状と強く関連しています。特にループスアンチコアグラント(LA)活性を有するaβ2GP1は血栓症と極めて強く相関するとされています。aβ2GP1は陰性荷電に結合することにより構造変化を起したβ2GP1に新たに出現した構造を認識する自己抗体で、LAの責任抗体のひとつと考えられています。
抗β2グリコプロテイン1抗体の測定方法はまだ標準化されていませんが、一般的にはγ線照射ELISAプレートを使用します。γ線照射によりプレートの測定面に陰性電子が惹起されます。そのプレートに精製ヒトβ2GP1を固相化し、ウシ血清アルブミン(BSA)で非特異的な結合性をブロックした後、BSA加リン酸緩衝液で50〜100倍に希釈した被検血清を添加し、固相化β2GP1に結合したサンプルの中の自己抗体を標識抗ヒト免疫グロブリン抗体で検出し、発色基質発色させ吸光度を測定します。
・抗カルジオリピン・β2GP1複合体抗体(抗CL・β2GP1抗体)
コファクターであるβ2GP1(β2-Glycoprotein1)を添加して測定する方法です。抗カルジオリピン抗体には、コファクターであるβ2GP1の存在下で、抗体活性が上昇するものと、低下するものの2種類の抗体が存在します。本検査では、このうち前者の活性を持つものを測定します。梅毒などの感染性疾患で認められる抗カルジオリピン抗体は、コファクターを添加することにより抗体活性が低下するため本検査法では測定されないため自己免疫疾患で産生された抗カルジオリピンが測定されます。
検査材料:血清
測定方法:ELISA
基準値:単位(U/ml)3.5以下
高値を示す病態
全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、進行性全身性硬化症(PSS)、混合性結合組織病(MCTD)、多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM)、抗リン脂質抗体症候群(反復性流産・子宮内胎児死亡、全身の動・静脈血栓症などがみられる)
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