全身性エリエマトーデス(SLE) - 膠原病

膠原病は発熱・易疲労感・体重減少・関節症状・皮膚症状・レイノー現象・筋症状などの臨床症状を示す自己免疫性疾患で、慢性関節リウマチ・SLE・強皮症・多発性筋炎などがあります。

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全身性エリエマトーデス(SLE)

全身性エリテマトーデス(Systemic lupus erythematosus:SLE)は膠原病の中の代表的疾患です。若い女性に好発し、再発・寛解をくり返す全身性の炎症性疾患です。多くの臓器が障害されるので、臨床像は多彩で、多種類の自己抗体が検出されます。重要な症状の一つである中枢神経症状は他のSLEの疾患活動性の指標と平行しないで出現したり悪化したりすることがあります。また、抗リン脂質抗体症候群を合併する場合があります。

臨床的特徴
・全身症状:発熱、全身倦怠感、関節痛
・皮膚症状:顔面の蝶型紅斑、円形状紅斑、指尖部の凍瘡様皮疹、爪床部の出血班、レイノー現象、光線過敏症、脱毛
・筋骨格系症状:関節痛、関節炎、筋炎(筋力低下や筋原性酵素の上昇を伴う)
・腎症状:糸球体腎炎(ループス腎炎)
・漿膜炎:胸膜炎、心膜炎
・中枢神経症状(CNSループス):頭痛、痙攣発作、脳血管障害、脳神経障害、末梢神経障害、精神症状、
・心肺症状:心内膜炎、心筋炎、冠動脈病変、急性肺炎様の肺浸潤、肺線維症、肺高血圧症、肺出血(ループス肺臓炎)
・血液異常:白血球減少、リンパ球減少、血小板減少、溶血性貧血
・消化器病変、肝腫、表在リンパ節腫脹

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混合性結合組織病(MCTD)

混合性結合組織病(Mixed Connective Tissue Disease:MCTD)は女
性に好発し、臨床的にSLE様、強皮症様、多発性筋炎様の症状が
混在し、かつ血清中に抗RNP抗体(抗U1RNP抗体)が高値で
検出される疾患です。
混合性結合組織病といわゆる重複症候群との相違には色々議論はあ
りますが、比較的良好な予後を有し、ステロイド薬によく反応する
一つの独立した疾患単位として考えられています。

全身性強皮症の症状の頻度が経過とともに増加し、全身性強皮症に
移行する例も見られます。肺高血圧症が死因として最多です。5年
生存率は93% 10年生存率は87%

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シェーグレン症候群(SS)

シェーグレン症候群(SS)は主として中年女性に好発する涙腺、唾液腺の外分泌機能低下を特徴とする自己免疫疾患です。リンパ球が涙腺・唾液腺に浸潤し、それが外分泌機能低下に深く関わっていると考えられています。
シェーグレン症候群(SS)は、他の膠原病と合併しない原発性SS(橋本病・原発性胆汁性肝硬変:PBCを含む)と関節リウマチ(RA)・SLE・混合性結合組織病・強皮症の合併がある続発性シェーグレン症候群に分類されます。

原発性シェーグレン症候群の病変は3つに分けることができます。
1)目の乾燥(ドライアイ)、口腔乾燥の症状のみがある患者さんで、ほぼ「健康に」に暮らしている患者さんもありますが、ひどい乾燥症状に悩まされている人もあります(約45%)
2)2つ目は全身性の何らかの臓器病変を伴うグループで、諸臓器へのリンパ球浸潤、増殖による病変や自己抗体、高γグロブリン血症などによる病変を伴う患者さんです(約50%)
3)悪性リンパ腫や原発性マクログロブリン血症を発症した状態です(約5%)
経過をみると、約半数の患者さんは10年以上経っても何の変化もありませんが、半数の患者さんは10年以上経つと何らかの検査値異常や新しい病変がみられます。

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