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血中の可溶性メソテリン関連ペプチドは、悪性中皮腫に高度に検出され、他の肺癌や石綿関連良性疾患の検出率は低いことから、今まで直接診断や組織診断に拠っていた中皮腫で初めての血中バイオマーカーとして、その有用性が期待されています。
悪性中皮腫は、繊維性の天然鉱物アスベスト(石綿)の粉塵を吸入することで発生する悪性腫瘍で、曝露から発病までの期間は、一般的に30〜40年くらいとされています。原因の詳細はまだ不明な点もありますが、吸い込んだアスベストなどに惹起されたインターロイキン6(IL-6)を中心とした炎症が中皮の腫瘍化を促進すると考えられています。
D-アラビニトールは 、D-アラビノースの五炭糖アルコールで、真菌の一種、カンジダ属の主要代謝産物です。また、D-アラビニトールは ウロン酸経路に関連している物質です。
近年、化学療法や抗生物質などの進歩とともに、真菌による日和見感染症が増加しています。真菌感染症には表在性と深在性があり、表在性とは皮膚などへの感染で、深在性は臓器や血液などに感染するものです。深在性真菌症は診断が比較的難しく、抗菌剤も副作用が強いものが少なくないため、確実な診断指標が必要になります。
カンジタ属は通常、正常な細菌叢の構成菌として健康人の口腔や消化管、膣内などに存在しています。深在性真菌症は、このカンジダ属によるものが多く、深在性カンジダ症を引き起こします。深在性カンジダ症は日和見感染としての性格が強く、白血病や悪性リンパ腫、再生不良性貧血などの基礎疾患を伴う場合が多くみられます。抗生物質の無効な発熱、口腔内の白斑などの臨床症状がみられ、早期に抗真菌剤の投与が必要となりますが、血液培養で真菌の証明は難しいため真菌の代謝産物であるD-アラビニトールが指標として用いられます。他にもカンジダ抗原や、β-D-グルカンが知られています。
アスペルギルス(Aspergillus fumigatus)は自然界に広く分布する真菌で、病巣内ではY字型に分岐する菌糸として存在します。主な感染経路は経気道感染で、肺を中心に気管支、胸腔、外耳などに病変を起こします。日和見感染が多く、宿主が何らかの器質的病変を有するか、免疫不全状態に陥った場合に病原性を発現します。
臨床像としては、定着型、アレルギー型、組織侵入型、真菌中毒症型に大別されます。診断には胸部X線、喀痰培養などとともに血清学的検査が有用で、特に定着型、アレルギー型において抗体検出は感度、特異性が高いとされています。また、治療効果判定にはアスペルギルス抗体の定量的検査(保険未収載)が役立ちます。
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