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麻疹・風疹・ムンプス・水痘・日本脳炎・インフルエンザなどのウイルス抗体検査では、検査法の特徴により目的に合った検査の選択が必要です。自然感染では感染初期に応答するIgM抗体の検出やペア血清による抗体上昇をみることが有用です。また、既往の有無やワクチンの効果判定にはEIAによるIgG抗体の検査が有用です。
・自然感染
麻疹:CF、HI、NT、EIA(IgM、IgG)
風疹:HI、EIA(IgM、IgG)
ムンプス:CF、HI、NT、EIA(IgM、IgG)
水痘:CF、EIA(IgM、IgG)
日本脳炎:HI、CF
インフルエンザ:CF、HI
ウイルス血清抗体価に正常値という概念はありません。ウイルス感染後に産生される抗体の検出は、過去にそのウイルスに感染したことを回顧的に示すだけで、現在の状態を必ずしも反映していません。
ウイルス抗体は感染の直後に高く、以後下降するパターンを示しますが、単一の血清の抗体価の高低だけで近い過去に感染があったかどうかの判定は出来ない場合が多いといえます。
ウイルス感染後の抗体応答パターン、各検査法の特徴、検査意義を理解し、目的に応じた検査法を選択する必要があります。
1)補体結合反応(Complement Fixation Test:CF)
抗原抗体複合体と結合した補体を感作血球の不溶血を指標として間接的に証明します。CF活性を持つのはIgGとIgMのみで一般に感染後短期間検出される場合が多いといえます。
・群特異性が高い
・比較的早期に抗体消失
・感染スクリーニング用
2)赤血球凝集抑制反応(Hemagglutination Inhibition Test:HI)
一般にウイルスは動物の赤血球を凝集する性質を持っており、ウイルス抗原が対応する抗体と結合し抗原抗体反応を起こすと赤血球凝集能が抑制されます。この性質を利用してウイルス抗原を被検検体と反応させ、これに赤血球を加え反応させどの希釈倍率まで凝集が抑制されたかにより抗体価を判定します。
・型特異性が高い
・早期に抗体が上昇、持続する
3)蛍光抗体法(Fluorescent Antibody Test:FA)
FITCなどの蛍光色素を標識し抗原と抗体を反応させ蛍光顕微鏡下で観察すると特異的な蛍光が見られ、これにより判定します。抗体に蛍光色素を直接結合させる直接法と抗原抗体反応させた後、さらに抗血清に蛍光色素を反応させる間接法があります。
・抗体分画が可能
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