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動脈硬化の進展は、小さなプラーク破裂を繰り返しながら不安定プラークが増大して血栓を形成する過程を経るため。血管の慢性的な炎症と深く関与しています。
現在炎症マーカーとしては、CRP(C反応性蛋白)が最も頻用されていますが、CRPは肝臓から産生され、感染症など様々な疾患でも上昇し、血管に特異的ではありません。
一方、CRPと同じ炎症性タンパク質であるペントラキシン3(PTX3)は、血管内皮細胞などから産生され、血管の炎症を直接的に敏感に反映し、血栓と強い相関があるなどの特徴が明らかになってきています。最近の研究では、ペントラキシン3(PTX3)は、急性心筋梗塞に移行する前段階の不安定狭心症で上昇することが報告されており、動脈硬化疾患の憎悪課程を早期から反映する炎症マーカーとして期待されています。
検査材料:EDTA加血漿
測定方法:ELISA
基準値:単位(ng/ml) 0.73〜5.49
デハイドロエピアンドロステロンサルフェート(dehydroepiandrosterone sulfate:DHEA-S)は、男性ホルモンの中間代謝産物で主に副腎皮質から分泌され(性腺由来DHEA-Sは1%程度)、その99%以上が硫酸抱合体(DHEA-S)として存在しています。年齢で変動し思春期前に低く、思春期にピークを迎えその後斬減しますが、全年齢層で男子の方が女子よりやや高値となります。
ACTHにより分泌調節されますが、DHEAと比べ血中半減期が約6時間(DHEAの約15倍)と長いので、著明な日内変動を認めないという利点があります。主にCushing症候群の病型判定や副腎皮質機能低下の診断に用いられます。
オキシトシン(oxytocin:OT)は、9個のアミノ酸からなる下垂体後葉ペプチドで末梢組織ではホルモンとして、中枢神経では神経伝達物質、神経調節物質として作用します。その構造は二つのシスティン(Cys)を含み、それぞれの硫黄原子が結合して(ジスルフィド構造)大きな環を作っています。オキシトシンは視床下部の室傍核と視索上核の神経分泌細胞で、輸送タンパク質であるニューロフィジンTに結合した不活性前駆体として合成され、神経細胞内を軸索輸送され、下垂体後葉に蓄えられています。
オキシトシンの遺伝子がクローニングされ分子生物学的手法による解析が進んだ結果、オキシトシンは下垂体後葉だけでなく、子宮・胎盤・羊膜・黄体・精巣・心臓など末梢組織でも産生されることが解りました。その作用として子宮収縮や射乳作用はよく知られ、ほかにも脂質代謝におけるインスリン様作用、腎からのナトリウム利尿などのさまざまな作用が認められていますが、いまだその生理的意義や臨床的意義に関して十分に解明されていません。
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