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血漿中の蛋白質は、アルブミンやグロブリン、凝固因子などをはじめとする100種類以上もの成分で構成され、膠質浸透圧の維持や生体の防御機構などに関与しています。
一方、血清中では分離の段階で凝固関連の蛋白が消費されていますが、この段階での総蛋白濃度を通常はtotal proteinと称します。
検査の主な目的はアルブミンの低下の有無、免疫グロブリンの増減、蛋白喪失の有無などです。血清総蛋白値に異常がみられた場合は蛋白分画を検査し、その構成比をみます。セルロースアセテート膜を用いた電気泳動による蛋白分画では、アルブミン、α1分画(α1アンチトリプシンなど)、α2分画(α2マクログロブリン、セルロプラスミン、ハプトグロブリンなど)、β分画(トランスフェリン、βリポ蛋白など)、γ分画(免疫グロブリン)の5成分に分画されます。
マグネシウム(magnesium:Mg)は、種々の酵素の補助因子として作用し、生体代謝調節に重要な役割を担う金属です。特に虚血性心疾患、不整脈、高血圧、脳血管障害とMg欠乏との関係を示唆する報告が多くあります。一方、高Mg血症は腎機能障害例に生じ、カルシウムをはじめとする電解質代謝に異常をきたし、腎性骨異栄養症に関与します。
血清Mgは、男性が女性よりわずかに高値を示し、加齢による上昇のほか、日内・日差・季節変動も認められますが、いずれも基準範囲内に留まります。
尿中Mgは、生体全体の代謝状態をよく反映しますが、人種、食習慣、飲料水などで異なります。睡眠時に減少し、午前中後半に最大となります。生体内Mgの99%は細胞内で占められます。このため、採取容易な赤血球が多く用いられます。しかし赤血球は無核のため、赤血球生産時のMg代謝を示し検査時の状態を反映しない可能性があります。
クロール(chloride:Cl)は、生体内に体重1kg当り約35mEq程度存在し、ナトリウムとともにNaClとして大部分が細胞外液中に存在し、他の電解質との相互関係のもとに水分平衡、浸透圧の調節などに重要な役割を果たしています。
通常、ClはNa濃度と並行して変動しますが、酸塩基平衡の異常がある時は解離します。この場合Anion gap[Na+−(Cl-+HCO3-)]を算出し病態の鑑別を行います(健常人の値は14mEq/l以下)。
血清Clに日内変動や運動による影響はほとんどみられませんが、食後は胃酸として分泌されるため若干低下をみます。
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