Jug r 1は血清中のクルミアレルゲンコンポーネントです。
即時型食物アレルギーの原因食物は鶏卵・牛乳・小麦が知られており、次いでピーナッツが原因食物として報告されています。しかし、最近の調査によるとナッツ類が著しく増加しており、なかでもクルミは鶏卵・牛乳・小麦に次いで第4位となっています。また、ナッツ類は3〜6歳で発症の即時型食物アレルギーの原因食物として最も多い食品として報告されています。
食物性アレルゲンの最近のブログ記事
Ana o3は、カシューナッツに含有するアレルゲンタンパク質の1つ(アレルゲンコンポーネント)です。カシューナッツよりも臨床的特異度が高いため、カシューナッツと組み合わせて測定することにより、より精度の高い診断、経口負荷試験対象者の抽出および必要 最小限の原因食物の除去に寄与することができます。
Jug r1もクルミの主要コンポーネントの1つであり、クルミよりも臨床的特異度が高いためクルミと組み合わせて測定することにより、より精度の高い診断、経口負荷試験対象者の抽出および必要 最小限の原因食物の除去に寄与することができます。
プロバビリティーカーブは、特異的IgE抗体価が高いほど、当該アレルギーの症状誘発の可能性が高くなるということを、連続した特異的IgE抗体価と症状の誘発率との関係で示したものです。
Sampsonらは、卵白・牛乳・ピーナッツおよびタラのプロバビリティーカーブを作成し、併せて各プロバビリティーカーブからディシジョンポイントの値も算出しました。ディシジョンポイントは、食物経口負荷試験の陽性確率が95%の抗体価で、その抗体価以上であれば、ほぼ確定診断されるものです。プロバビリティーカーブを活用することで、リスクの高い負荷試験を避けることができるようになりました。
アトピー性疾患を発症する小児において、始めに抗体を獲得する抗原が卵であることが多いといわれています。
卵に対するアレルギーは、乳児および幼児における食物アレルギーにおいて最も一般的であると考えられています。卵アレルギーの患児を観察した際、湿疹および呼吸器症状を持つ小児の65%以上に感作が認められています。
卵白の特異的なIgE抗体によって、アトピー性呼吸器アレルギーの発現を予測できることもあります。卵白に対する過敏症の有無はアトピー体質の指標として総血清IgE値より優れていると結論付けられた研究の追跡調査において、卵白アレルギーを持つ乳児は、7歳までに吸入性アレルギーを発現する可能性が高いことが示されており、他の研究でも同様の結果が示されています。
牛乳は、乳児における有害反応の主な原因のひとつで、アレルギー疾患の有病率は0.6〜7.5%です。中には牛乳アレルギーを一生持ち続ける人もいます。牛乳によって誘発される喘息は、乳児においては多くの場合、食物過敏症および鼻結膜炎との併発が見られ、漿液性中耳炎を伴う可能性もあります。摂取をやめることにより、乳児の牛乳アレルギーは、年長児や成人よりはるかに良好な予後を示しています。
牛乳に対するIgE抗体は、臨床的なアレルギーの発症に先立ち発現することもあり、特異的IgEの測定は有効な予測手段になります。これまでに、牛乳の特異的IgE抗体値と牛乳に対する耐性の発現には、相関関係が報告されています。
小麦に含まれる主要タンパク質(アルブミン、グロブリンおよびグルテン)は、小麦の種類によって含有比率が異なります。小麦製品よって反応が異なるのは、こうした差異が一因です。
小麦は、小児のIgE介在(依存)性アレルギー反応の主な原因として最も重要な6種類の食品のひとつです。
摂取された小麦タンパクに対するIgE介在(依存)性アレルギー反応には、胃腸・呼吸器・皮膚の症状が含まれます。 反応は概して、小麦の摂取から1時間以内に起こります。患者は通常、乳児期に感作され、臨床反応は一般的に成人する前に消散します。
ピーナッツは、木の実ではなく、一年生のマメ科植物の一種です。ピーナッツは、キャンディーや焼き菓子にも含まれます。またピーナッツは一般に用いられる油の原料でもあります。落花生粉は、様々な加工食品に含まれる重要な成分のひとつです。
ピーナッツの予期せぬ暴露源には他に、アジア料理やアフリカ料理など、ピーナッツを食材として用い、レストランで供される食物などがあります。
ピーナッツアレルギー患者の25〜50%に木の実に対するアレルギー反応が見られ、クルミ・カシューナッツ・ペカンナッツ・ピスタチオなど植物学的に異なる科に属する木の実を通じ、発現することもあります。アレルギー反応は初めての暴露で起こることも多く、生死に関わることもあります。これは、純粋な交差反応によるものなのか、アトピー体質の個人の間に異なるアレルゲンが共在しているせいなのかは不明です。
大豆には、未加工・大豆粉に加工・圧搾して油にしたものがあります。大豆油は、様々な用途に用いられており、サラダ油やマーガリンに含まれています。大豆アレルギー患者の中には、(常温圧搾、連続圧搾または抽出されたものでない)大豆油や大豆レシチンは支障なく摂取できる人もいる一方、極端にひどい大豆アレルギー患者は大豆油や大豆レシチン内に微量に含まれる大豆タンパクに対しても反応することがあります。
大豆にはマメ科の他の植物と交差反応を示す数種類の抗原成分が含まれていることが判っています。複数の調査報告書により、エンドウマメ・レンズマメ・ピーナッツ・インゲンマメ・アオイマメ・シロインゲンマメなどに対する交差反応が確認されています。
セイヨウハシバミ(Corylus avellana)の果実
ヘーゼルナッツの主要生産国は、イタリア、スペイン、フランス、トルコです。この木の実は通常、秋になると落下し、それらを拾い集め、殻を取り除いてから乾燥させます。
ヘーゼルナッツは、広く用いられており、「隠れ」アレルゲンになる可能性もあります。例えば、糖果など二次製品の成分のひとつ、ヌガーは、ヘーゼルナッツ製品のひとつです。
同属の種の間では広範な交差反応が予想されます。ヘーセルナッツとハシバミの木の花粉の間には交差反応が生じる可能性もあります。さらに、カバノキの花粉に誘発される花粉症と、ヘーセルナッツ、リンゴ、キーウィ、ニンジン、ジャガイモおよびその他の野菜に対する感作の間には相関性があります。カバノキの花粉に過敏な患者で、口腔アレルギー症候群を呈する人達の間では、リンゴ・アレルギーまたはヘーゼルナッツ・アレルギーが一般的です。
タイセイヨウマダラ(Gadus morhua)
主要なタラ・アレルゲン(パルブアルブミン)は、多くの魚種を代表するアレルゲンのひとつです。タラ目(例:タラやメルルーサ)とサバ科の魚(例:サバやマグロ)にように、異なる種に属する魚の間には、共通のアレルゲン成分が存在していると考えられ、異なる群の間におけるアレルゲン特異性の重複は、中程度と見られています。