金属アレルギーの最近のブログ記事

金属アレルギーの検査

金属アレルギーは病態が多様ですので、口腔内と全身の両面の状態を知るために、歯科と内科、皮膚科が連携した多角的な検査が必要です。検査項目については下記の検査を歯科と内科で組み合わせて行うことが一般的です。

●口腔内検査
視診やレントゲンによる検査が中心です。口腔と歯の状態、金属の存在をチェックします。歯肉や舌、頬の粘膜などに発赤、白化などの症状が現れることがあります。歯周病は症状を悪化要因です。

●歯科金属検査
多種類、多数の金属が使われていればいるほどリスクが高くなります。冠や詰め物の一部が黒く変化してしまっている場合には強いガルバニ電流が発生している可能性があります。金属での帯電試験、機器による金属の漏出度測定です。

金属アレルギーの主な症状

金属イオンがたんぱく質に結合すると、たんぱく質から構成される酵素が異常な働きをするようになります。その結果、生命活動のあらゆる分野に影響を及ぼします。近年問題になった環境ホルモン様の作用をすると考えられていますが、その本態は十分に解明されていません。症状が多様であるため他の病気との鑑別を困難にしています。現時点でわかっている症状は以下の通りですが、健康の悪化に大きく影響していることがわかります。

●ピアス、ネックレスによる肌のかぶれ(接触性皮膚炎)
ピアスやネックレスによるかぶれやかゆみが一番認識しやすい金属アレルギー症状です。問題はピアスやネックレスに使用されている金属に身体が感作されることです。この事によって金属アレルギーが発症しやすくなります。ですから、セラミックや溶け出しにくい金属を使ったピアスやネックレスを身に付ける事が大切です。

金属アレルギーの原因

金属アレルギーの原因は、金属イオンがたんぱく質に結合すると、たんぱく質から構成される酵素が異常な働きをするようになり、その結果、生命活動のあらゆる分野に影響を及ぼす為と考えられています。
・体質、年齢、などによる個人差が大きく、体調も影響する
・症状が複雑で、症状の発現過程に個人差がある
・ピアスやネックレスなどの装飾品による場合が多い
・重度の歯周病や口内炎などでお口の中の炎症状態が慢性的に続いている状態では金属がイオン化しやすい

最も多い患者層は40代の女性です。金属アレルギーが疑われる場合は、まず、自分の口の中に金属が入っているかを確認し、その金属の種類を調べてもらい知っておくことが大切です。

歯科金属アレルギー

人類は太古から装飾品として、あるいは権力の象徴として金属を身につけてきました。しかしそれらの多くは金を主体とする貴金属でした。金はイオン化しにくいという点では安全性の高い素材です。しかし、現在歯科治療で用いられる合金の金含有量は少なく抑えられており、パラジウム、銀、銅、ニッケルなど多様な元素を含んだ合金が使用されています。これらの合金の大量使用は人類史上例のないことで、長期的な安全性を注意深く見守っていく必要があります。

私たちは飲料水や食品の重金属汚染には敏感ですが、口の中の金属には意外に無頓着です。口の中の金属はイオン化して溶け出しやすく、唾液、口腔細菌、血液などのタンパクと結合して抗原性(アレルギー性)を持つようになります。その結果、皮膚炎や肌のシミ・しわなどを生じるようになります。

また、口の中の金属は帯電しやすく、ガルバニ電流と呼ばれる微弱電流を生じて、脳活動を混乱させたり、頭痛や関節痛を憎悪させたりします。口の中の金属によるアレルギーの危険性はピアスやネックレスによる感作によって発症しやすくなりますが、発症しない場合でも長い期間にわたる金属の体内蓄積によって身体的リスクが増大します。

金属アレルギーとは

通常、金属そのものは身体に対して無害なものですが、汗や唾液などの体液によってイオン化した金属が体内に取り込まれます。汗をかくとネックレスや時計の革ベルトの部分の肌が赤くなったりかゆみが出るのは、汗の塩分がイオン化を促すからです。
革製品でも症状が出ることがあります。こらは六価クロムによってなめされた製品で、現在では使用されていませんが、アンティーク製品を身に着ける場合には注意が必要です。

また歯科治療に用いられる合金ですが、貴金属の含有量が少ないほど溶け出しやすくなります。上下の歯が噛み合った時の摩擦によって合金粒子が唾液中に拡散し、危険性が高くなります。多数の歯に多種類の合金が使われているとイオン化傾向が強くなり、症状が出やすくなります。

取り込まれた金属イオンは体内のタンパク質と結合します。このタンパク質と結合した物質を異常なものと認識した生体がアレルギー性をもつようになり、再び同じ金属が体内に入ってタンパク質と結合すると皮膚や粘膜を破壊します。これが金属アレルギーのメカニズムといわれています。

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち金属アレルギーカテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリは吸入性アレルゲン(花粉以外)です。

次のカテゴリは食物性アレルゲンです。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。