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ハルガヤ

ハルガヤはヨーロッパから北アジアが原産です。わが国へは明治時代に牧草として導入されました。今では帰化して、道端や草地に生えています。
高さは30〜45センチほどで、茎には疎らに毛が生えます。4月から7月ごろ、円錐状の花序をだし花を咲かせます。白い糸のように見えるのは、外に突き出した柱頭です。乾燥させるとクマリンのよい香りがあります。

はるがや

カモガヤ

カモガヤは夏の花粉症の代表的な原因アレルゲンです。牧草として全国で広く栽培されているほか、雑草化して道端や河川敷などにも生えています。高さは1m前後です。オーチャードグラスとも呼ばれています。

カモガヤ
カモガヤ(5月-8月)

イネ科花粉

花粉症の原因となるイネ科植物の多くは牧草として輸入され、帰化したものです。牧草地以外にも道端、荒地や河川敷など身近な場所に多く生えており、花粉症の原因としてスギに次いで多いとされています。また、春季に花粉症の症状がありスギ特異的IgE抗体陽性236例の52%がイネ科花粉に感作され、また、スギ特異的IgE抗体が陰性例のうち14%はイネ科花粉単独に感作されていました。

多くの異なる種のイネ科植物が、晩春から秋にかけて長期にわたり花粉を飛散します。イネ科花粉間には強い共通抗原性があり、そのため、花粉飛散時期の異なるイネ科花粉によっても症状が起こり、晩春から秋まで症状が持続する可能性があります。イネ科の多くは早朝から午前中に花粉を飛散させます。晴天の場合には午前10時頃までに飛散のピークが認められ、曇りの時は1-2時間遅れます。

ハンノキ(属)・シラカンバ(属)はいずれもカバノキ科に属する植物です。いずれかの花粉に対する花粉症例の約半数は果実アレルギーを合併しています。本州ではハンノキ花粉の飛散時期はスギとほぼ同時のため、ハンノキ花粉症と診断するのは困難です。
しかし、東京の鼻アレルギー患者の20%にハンノキ花粉の感作があり、その半数に果実・野菜による食物アレルギーが認められたと報告されています。
シラカンバはイネ科花粉とともに北海道の花粉症の重要な原因アレルゲンです。

スギ・ヒノキ

スギ・ヒノキはいずれもマツ目に属する植物で、両者の主要アレルゲンに共通抗原性が認められます。
スギは最も重要な花粉症の原因で社会問題となっています。感作、発症も低年齢化しているといわれ、幼児のスギ花粉症例も報告されています。ヒノキとの共通抗原性により、スギ花粉症の約60%がヒノキにも感作されています。このような例では、スギ花粉飛散終了後のヒノキ花粉飛散時期でも症状が持続すると報告されています。

樹木花粉

樹木花粉
春季花粉症の原因の多くは樹木の花粉です。花粉の直径は10μm以上の大きさのため、吸入されるとほとんどが上気道に沈着されることから、鼻、喉、目でアレルギー症状が起こります。
近年、樹木花粉症に合併する食物アレルギー例が増加傾向にあるといわれています。とくに、ハンノキ、シラカンバ花粉症の約半数にみられる、リンゴ、モモ、ナシなどのバラ科果実アレルギーが良く知られています。

スギでも少数ながらトマトによる食物アレルギーが合併すると報告されています。これら食物アレルギーは、花粉と果実のアレルゲン間の共通抗原性により発症します。

ギョウギシバ

ギョウギシバ(イネ科 ギョウギシバ属:行儀芝)は、日当りのよい道ばたや野原、芝生、海浜などに群生する多年草です。茎は地表あるいは浅い地中を這って繁殖します。周辺の植物の背丈が高い場所では立ち上がります。茎は扁平で滑らか、質は堅く丈夫です。葉は線形で互生し無毛、葉鞘は茎を包みます。
夏期に穂をつける枝が直立しその先に穂をつけ、掌状に2〜7個の穂軸を出し、穂軸の片側に広卵形の小穂を2列につけます。葉の長さは数cmであることが多いが、5cmを越えることもあります。花は6月のはじめから夏まで咲き、10〜20cm前後の高さになります。花序は3〜7に分かれ、小さなメヒシバのようである。乾燥に強いためか、路傍や河原などにもよく生育しており、緑化にも利用されたり牧草として利用されます。また、荒地の緑化に使われたり、サッカーグラウンドの芝(品種改良種ティフトン419/暖地型芝生/バミューダグラス)としても使われます。

ヨモギは粗大な多年生植物で、荒地・道端・山野に一般的に見られます。モチ草、繕草(つくろいぐさ)、蓬蒿(ほうこう)とも呼ばれ日本全域に見られますが北海道では少ないようです。

開花時期は8〜10月(キク科)茎の高さ50〜100cm。葉は羽状に分裂、裏面に白毛があります。秋、淡褐色で小形球形の頭状花を多数穂状につけます。葉には香気があり、若葉は餅に入れ、成長した葉は灸(きゅう)の「もぐさ」とされます。
もぐさ【艾】:(燃え草の意) ヨモギの葉を乾かして製した綿のようなものでこれに火を点じて灸治(きゅうじ)に用います。

★秋の花粉症の代表的植物です。


セイタカアキノキリンソウ

セイタカアキノキリンソウは、黄色の花をもつ多年生の雑草で、日本全土、道端、空き地に大規模な群落を形成します。茎は1〜2.5mの高さにもなり、別名セイタカアワダチソウとも呼ばれています。
全体に短毛が密生しています。葉は互生し、披針形で、縁には細かいふぞろいの鋸歯があります。茎頂の円錐花序に多数の黄色の頭状花を密に付けます。頭花の直径は約5mm。
非常に耐久力のある植物で、ネイティブアメリカンの人たちは、その葉をすりつぶし、ガラガラヘビに咬まれたキズに軟膏として用いたという話もあります。秋の花粉症の原因植物の1つです。

ブタクサ・オオブタクサ

ブタクサ
キク科 開花時期 8〜10月
茎の高さ30〜100cmの分枝した一年生の雑草。道端、乾燥した野原、荒地に群生する。日本全域に生息するが、東北以北には少ない。花粉症や気管支喘息症状をおこす。

ブタクサ

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