気管支喘息の最近のブログ記事

気管支喘息の治療に有用な漢方薬には次のようなものがあり、症状に応じて使い分けの必要性があります。
・麦門冬湯(ばくもんどうとう)
気管支喘息への第一選択漢方薬で、内服10分以内に薬効を認めます。朝起きた時に声がかすれる、喉が乾燥している、イガイガして痛がゆい場合や、外出中に喉がイガイガして咳が出るといった場面でも活用できます。運動時の咳を止めきれない症例では運動直前に、薬の吸入時に咳き込んでしまう症例では吸入直前に内服することで、発作や咳き込みを抑えられます。

・葛根湯(かっこんんとう)
感冒症状(鼻水、頭痛、咽頭痛)が出現した場合。麦門冬湯の内服から10分経過しても咽頭違和感が残る場合は、すぐに葛根湯に切り替えます。

喘息と尿中バイオピリン

喘息は、慢性のアレルギー性気道炎症と気道過敏性の亢進を特徴とする疾患ですが、病態のメカニズムの一つとして、アレルギー性炎症細胞である好酸球やリンパ球などから発生する過剰の活性酸素が気道障害性に作用し、気道の慢性炎症や過敏症を形成していることが知られています。喘息においても、敗血症や心筋梗塞と同様に。生体内で酸化ストレスが上昇しバイオピリンが産生され、尿中レベルが上昇していることが想像されます。

肥満者の割合は近年増加傾向にあり、アレルギー疾患のうちでも、特に 喘息 が肥満とのかかわりにおいて注目されています。「喘息予防・管理ガイドライン2009」にも、肥満が成人喘息の発病・憎悪の両方に関与する事が記載されています。
体重・体格指数(BMI)が高いほど喘息発病のリスクが高まることが、登録看護師(女性)を対象としたアメリカの免疫研究により1999年に明らかになりました。
血清総IgE値やアレルゲン感作が肥満により増強するとの報告は少なく、アレルギー性喘息と肥満の関連は強くないと考えられているのに対し、肥満は非アレルギー性喘息発症とよく相関し、とくに女性においてより顕著です。
すでに喘息を発病している患者では喘息憎悪に結びつきます。その背景には、呼吸生理学的な変化と、分子メカニズムの両者が関与すると考えられています。肥満の喘息患者が減量すると肺機能と喘息症状が改善し、とくに肺機能のうちピークフロー値の変動幅が減少します。

気管支喘息と好酸球性中耳炎

好酸球性中耳炎は、気管支喘息患者における難治性中耳炎として報告され、その特徴は膠状の中耳貯留液に多数の好酸球が認められることです。診断の為には好酸球検査が必須となります。臨床的な特徴として次のものがあります。
・成人発症が多く、やや女性に多い
・局所は滲出性中耳炎または慢性中耳炎と同様の所見をとる
・鼓室内の肉芽は蒼白で耳茸を形成することもある
・気管支喘息、アスピリン喘息をきわめて高率に合併する
・好酸球が著明に浸潤した鼻茸を高率に合併する
・両側性の発症が多い
・伝音〜混合性難聴を呈し、未治療では進行が早い
・ときに急激な骨導閾値の上昇をきたすことがある
・手術により憎悪し聾となる症例もある

気管支喘息、特にアスピリン喘息を合併する患者で、副鼻腔粘膜・鼻茸への著しい好酸球浸潤が認められ、再発をきたす症例を好酸球性副鼻腔炎といいます。
好酸球性副鼻腔炎の臨床症状は以下のとおりです。
・成人発症
・両側性副鼻腔炎が大多数
・内視鏡検査で多発性ポリープが認められる
・副鼻腔に粘稠性分泌物が認められる
・ステロイド全身投与にて著効する
・手術後の経過不良を呈することが多い
・I型アレルギーの関与は問わない
・気管支喘息、アスピリン喘息、好酸球性中耳炎の合併
・自覚症状として病変が軽度でも臭覚障害が出現する
・CT画像上で上顎洞病変に比べて篩骨洞病変の程度が強い
・中鼻道粘膜表層ECP(eosinophil cationic protein)濃度高値や鼻汁中に多数の好酸球を認める
・血中好酸球数高値、血中ECP濃度が高値

あなたの喘息コントロールテストの総合点を出すことができます。テストの結果は、必ず担当医師と一緒に見直してください。

●喘息テスト12歳以上
このテストは、喘息でお悩みの12歳以上の方が自分自身の喘息状態を点数で知るために役立ちます。各質問について、該当する回答をクリックしてください。質問は全部で5つあります。

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ピークフロー値で自分の喘息の状態を知ろう。
喘息の状態を把握する指標、および発作の予知に役立つものとして「ピークフロー値」とがあります。これは、息を勢いよく吐き出したときに息が流れる速度のこと。喘息によって気道が狭くなっていると空気が通りにくいため、ピークフロー値は標準値より低くなります。

ピークフロー値は、ピークフローメーターと呼ばれる簡単な機械でいつでも手軽に測定できます。喘息の患者さんにとってピークフローメーターは、体温計のようなものです。糖尿病患者さんが血糖値を測り、高血圧の患者さんが血圧を測るのと同じであるともいえるでしょう。

喘息と上手につきあうには、喘息についてよく理解し、日常の管理を続けることが大切です。簡単にできることばかりですので、ぜひ実行しましょう。

●発作時
・発作が治まりにくいときは、早めに受診するように注意しましょう。
・短時間作用の吸入気管支拡張薬は発作の軽いうちに早めに行いましょう。

●長期管理
・吸入ステロイド薬などの長期管理薬は毎日忘れずに使用しましょう。
・薬を自分で勝手に止めたり、減らしたりしないようにしましょう。
・薬の効果と副作用についてよく理解しましょう。

夜中から明け方にかけて、咳や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音)、呼吸困難が続く場合は、まず気管支喘息を疑うのが普通です。症状が軽くても持続して起こるようなら、風邪と安易に判断せずに喘息を疑って、一度呼吸器科などの専門医を受診することをお勧めします。

気管支喘息の原因は様々ですが、日本では粉塵中の家ダニであることが多いといわれています。しかし、アレルゲンがはっきりせず、原因がよくわからない喘息の中には、カビ(真菌)が深く関わっているものがかなりあります。
カビには何千もの種類があり、喘息だけでなく鼻炎や気管支炎などの他のアレルギーの原因物質にもなりますが、特に喘息の原因として知られているのが、アスペルギルス、カンジダ、アルテルナリアなどです。
空中に浮遊しているこれらの胞子を吸入すると喘息発作が起きますし特にアスペルギルスとカンジダは「アレルギー性気管支肺真菌症」の原因となります。

気管支喘息

気管支喘息は、気道(気管や気管支など空気の通り道)がいろいろな外因・内因によって異常な過敏反応をおこし、比較的太い気管支のレベルで、気管支を輪状に取り巻いている平滑筋の異常収縮や粘膜の浮腫(ふしゅ)による気道の狭窄、多量の粘液分泌による気道閉塞のため、吸いこんだ空気を吐き出せなくなってしまった状態をいいます。発作性の呼吸困難、喘鳴、せき、たんがおもな症状です。

【原因】日本では、人口の3%にみられ、年々増加しています。成人患者の3分の1は10歳以下で発症小児喘息は思春期になると70〜80%は自然に治りますが、その半数は成人になると再発します。喘息患者の大半は、なんらかのアレルギーがあり、ダニ・カビ動物の羽毛・花粉・木材の粉塵などがアレルゲンとなっています。

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