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薬物アレルギー は、体が薬物を異物として認識し、感作が成立することが発症の前提となります。薬物は抗血清や血液製剤などを除けば、低分子であるため薬物自体が抗原とはなりえません。低分子の薬物が抗原性を獲得するには、分子量1万以上の蛋白と結合する必要があるため、蛋白と結合しやすい薬物ほど薬物アレルギーを起しやすいといえます。
この場合、蛋白がキャリアー(carrier)となり、医薬品がハプテン(hapten、不完全抗原または部分抗原ともいう)となります。このハプテンにより感作リンパ球が産生され、免疫が成立します。ハプテンとなった医薬品が再度投与されると、過剰な免疫反応が起こり、免疫複合体の形成や化学伝達物質の放出、あるいは細胞や組織に対する障害などの過敏症が発現します。

薬剤アレルギー

薬剤アレルギーとは、薬剤が抗原となってアレルギー反応を起こすものをいい、即時型アレルギー(体液性免疫)と遅延型アレルギー(細胞性免疫)とに大別されます。
薬剤アレルギーの主な症状として 遅延型アレルギーにより抗原を認識した感作リンパ球が、リンフォカインを放出し、それによって組織障害(主として肝障害)が起こるものがあります。
薬剤アレルギーの起因薬剤を検索する方法には、パッチテスト等、in vivo(生体内)での反応と、採血を伴うin vitro(試験管内)での反応とがあります。

リンパ球幼若化試験(LST:Lymphocyte Stimulation Tes)は、in vitroにおいて、主に遅延型アレルギーに対する薬剤の影響を検査するものです。患者末梢血から比重遠心法により、リンパ球を分離し、薬剤とともに培養してリンパ球の幼若化を観察する検査です。

IV型アレルギー(細胞免疫性アレルギー)は、I〜III型が抗体を介する液性免疫の過剰反応の結果であるのに対し、Tリンパ球による細胞免疫の過剰反応の結果としておこります。
活性化した感作Tリンパ球の作用によって、マクロファージが局所に集積したり、肉芽腫を作る遅延型(接触皮膚炎・ツベルクリン反応など)と、キラーTリンパ球が直接細胞を障害するタイプ(臓器移植の際の拒絶反応)とがあります。薬疹もこのタイプです。

III型アレルギー(免疫複合体症)は、抗原と抗体が結びついた抗原抗体複合体(免疫複合体)により活性化された補体は、好中球を局所に集めます。
その好中球が免疫複合体を貪食する際に放出するタンパク分解酵素や活性酸素が組織を障害します。また免疫複合体が血小板に結合し、血小板を凝集させると血小栓ができますが、それが血管壁に付着して組織を障害します。

おもな疾患としては、次のものがあります。
・血清病
・全身性エリテマトーデスSLE(ループス腎炎を含む)
・慢性関節リウマチ
・糸球体腎炎

II型アレルギー(細胞融解型アレルギー)は、細胞表面にある抗原や細胞表面に結合した薬剤などの化学物質に抗体が結びつき、それに活性化された補体が作用して細胞を融解します。
細胞膜表面に結合したIgG抗体に、マクロファージやキラーTリンパ球などが結合して細胞を障害するタイプのものもあります

おもな疾患としては、次のものがあります。
・特発性血小板減少性紫斑病
・不適合輸血による溶血性貧血
・新生児溶血性疾患(Rh・ABO不適合)
・自己免疫性溶血性貧血
・薬剤性溶血性貧血
・重症筋無力症

病原菌などの有害な侵入物に対して、生体は自己と非自己である異物(抗原)を識別し、抗原のもつ有害な作用に反応することで自己を守っています。生体のもつこのような自己防衛の働きを免疫といいます。抗原に対する防御反応が過剰すぎて、生体に障害(病気)をもたらす場合をアレルギーといいます。

アレルギーはおこりかたによって次の4つに分類されます。
1)I型アレルギー(即時型アレルギー)
2)II型アレルギー(細胞融解型アレルギー)
3)III型アレルギー(免疫複合体症)
4)IV型アレルギー(細胞免疫性アレルギー)

ここではI型アレルギーについて簡単に説明します。即時型といわれているように、抗原の侵入後数分から数十分以内に症状がおこります。

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