鳥特異的IgG 鳥関連過敏性肺炎の診断補助検査

過敏性肺炎は、環境中の特定の抗原を繰り返し吸入することによって起こるIII型およびIV型アレルギー反応に基づく間質性肺炎の病型の1つです。その臨床像から急性と慢性に分類され、急性過敏性肺炎は抗原曝露後4〜12時間で、せき・息切れ・発熱・全身倦怠感などの症状を呈します。
一方、慢性過敏性肺炎は急性症状を認めることは稀であり、数ヶ月から数年間にわたり、せき・労作時呼吸困難・全身倦怠感・食欲不振・体重減少などを呈します。いずれの場合でも過敏性肺炎の治療には、早期の原因特定と徹底的な抗原回避が重要と考えられています。

過敏性肺炎のなかでも、鳥排泄物(鳥の飼育・自宅庭への鳥飛来・鶏糞肥料使用など)や羽毛(羽毛布団・ダウンジャケット・剥製など)に含まれる抗原が原因と練り発症するものが「鳥関連過敏性肺炎」です。
鳥関連過敏性肺炎の診断における原因抗原の特定には、環境誘発試験や抗原吸入誘発試験最も信頼性の高い診断法とされています。しかし、これらの診断法は症状再現率が必ずしも高くないという問題があり、身体的負担も大きく、特に抗原吸入誘発試験は患者の症状憎悪を誘発するリスクがあります。
鳥特異的IgG検査は、蛍光酵素免疫測定法(FEIA)により血液中のセキセイインコおよびハトのIgG抗体価を測定する低侵襲かつ客観性を有する検査です。鳥関連過敏性肺炎の診断補助検査として2021年6月に保険適用されました。

検査材料:血清
測定方法:FEIA
基準値:判定 陰性
    セキセイインコ 8mgA/L未満
    ハト      24mgA/L未満
検査実施料:873点

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このページは、が2021年9月28日 23:54に書いたブログ記事です。

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