わが国のスギ花粉症の罹患者数は2,000万人とも4,000万人ともいわれ、他のアレルギー疾患含めて、アレルギー疾患は国民病ともいえます。疾病に罹患することで症状に悩まされるのはもちろんのこと、その社会的損失は計り知れません。しかしながら、アレルギー疾患への対応は医療従事者、施設、資源のいずれの側面においても充足している状況になく憂慮されています。
アレルギー疾患対策基本法は、アレルギー疾患の均てん化(医療サービスをはじめとした地域格差をなくし、全国どこでも等しく高度な医療を受けることができるようにすること)を旗印に、わが国のアレルギー診療を総合的に推進しじゅじつを図るために2014年に成立しました。2017年にはアレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針が提示され、より具体的な方向性が示され、現在全国でアレルギー拠点病院の選定などの対策が進行中です。